JTJ宣教神学校(重田俊仁学長)は19日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年間延期になっていた「創立30周年記念礼拝」(JTJ宣教神学校主催)をウエスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で開催した。当日は台風による悪天候にもかかわらず、現役生、卒業生など同校関係者約300人が集まった。
Jesus To Japanの頭文字をとったJTJ宣教神学校は、ビデオによる通信制を併設した超教派の神学校として、1990年4月に中野区下落合の半地下にある教室で発足した。その後、高田馬場にあるビルの2階に移り、94年に現在の上野の森キリスト教会ビル(東京都台東区)に居を構え、現在に至っている。建学理念である「だれでも・いつでも・どこででも」の方針のもと、豊富な講義と多彩な講師陣による教派を越えた学びにより、これまでに2千人余りの卒業生を宣教に送り出してきた。
記念礼拝は、同校の校歌で始まった。校歌は、同校のビジョンを初めに心に示された岸義紘氏が建学の精神と学校が目指すところを歌詞にまとめたもので、日本福音キリスト教会連合高森キリスト教会牧師の矢島隆行氏が作曲した。続いて、開校当初から同校と深く関わってきた元クリスチャン新聞編集部長の守部喜雅氏と、大和カルバリーチャペル牧師の大川従道氏が来賓代表として登壇した。その後、前学長の横山英実氏がビデオメッセージで出演し、「感謝」をキーワードに30年の歩みを振り返った。
その後、ゴスペルシンガーで、Paz Church伝道師の塩谷達也氏と美和氏が登壇し、「あなたの庭で」など特別賛美を行った。演奏の余韻が残る中、同校前国際部長の中野雄一郎氏が挨拶に立った。中野氏はハワイ在住。年3回の特別講義を30年間、その度に来日して守り続けてきた。この日も記念礼拝のためにハワイから駆けつけた。
中野氏は、魂が揺すぶられるようなメッセージをしているかと問いかけ、たとえ使っている言葉が違っていても、心に燃えるものがあれば、福音は伝えることができると力を込めた。そのうえで、同校が、イエスさまと日本に燃える心で仕えて30年間を歩んできたことを話し、これからもそのスピリットを忘れずにいきたいと語った。
学校紹介の後、同校の開設者である岸義紘氏が登壇し、サックス演奏とメッセージを行った。岸氏は、10年ほど前にサックス奏者としてメジャーデビュしており、この日も「見よや十字架」「われ主を愛す」の2曲を披露した。続いて「無に等しい者たちを選んでくださる神さまのお心」と題してメッセージを行った。開いた聖書箇所は、コリント人への第1の手紙1章26〜31節。
きょうだいたち、あなたがたが召されたときのことを考えてみなさい。世の知恵ある者は多くはなく、有力な者や家柄のよい者も多くはいませんでした。ところが、神は知恵ある者を恥じ入らせるために、世の愚かな者を選び、強い者を恥じ入らせるために、世の弱い者を選ばれました。また、神は世の取るに足りない者や軽んじられている者を選ばれました。すなわち、力ある者を無力な者にするため、無に等しい者を選ばれたのです。それは、誰一人、神の前で誇ることがないようにするためです。あなたがたがキリスト・イエスにあるのは、神によるのです。キリストは、私たちにとって神の知恵となり、義と聖と贖いとなられたのです。「誇る者は主を誇れ」と書いてあるとおりになるためです。
申命記(7章7〜8節)や、使徒行伝(4章)にも目を留めながら、神さまは、憐れみと慈しみの愛によって、この世の無に等しい弱い、迷える羊のようなわたしたちを選び、そこから素晴らしい器のクリスチャンに育てられることを話した。そして、そのように育ったクリスチャンを見て、学識者や権力者、身分の高い人たちが、悔い改めて、救いに入っていくようになると述べ、神さまの救いの順序のご計画は、この世の当たり前とは逆であることを強調した。
また、クリスチャンは、イエス様と1つに結ばれ、永遠の救いが与えられ、聖霊を送っていただき、贖われる(=神の家族になる)と述べ、これは教会だけが掲げることができる2千年間の宣教のメッセージだと話す。そのうえで、キリストの証人として、イエス・キリストを日本および世界に伝える使命に燃えてほしいと会場に呼びかけた。最後に、ITやSNSを取り入れるなど近年の同校の変化にも触れ、若い世代の「JTJファミリー」がさらなる30年に向かって進んでほしいと期待を込めた。
来年4月には、JTJ宣教神学校と召命を同じくする「クリスチャンライフ学院(CLI:Christian Life Instiute)」が開校する。CLIは、クリスチャンが他者とパーソナルな関係を構築するため新たに創設された学びの場。隣人が教会、家庭、職場等のコミュニティでキリストと結ばれて生きられるよう支援する「クリスチャンメンター」を養成していくという。10月1日より願書受付を開始する。詳細はこちらから。