6人の若手クリスチャン・ビジネスマンと現役大学生が直接交流する「合同交流説明会──若手クリスチャン・ビジネスマンと語るひととき」(主催:創世 ライフワークス社、共催:東京基督教大学キャリア支援室)が7日、東京基督教大学国際宣教センターチャペル(千葉県印西市)で持たれた。
特別養護老人ホーム「練馬キングスガーデン」施設長の中島真樹(なかじま・まさき)さん、乗り合いDMサービス「はこぶね便」を運営する「トップ・スペース」代表取締役の上原雄平(うえはら・ゆうへい)さん、乗鞍(のりくら)高原でロッジとアウトドア・スクールを運営する「ノーススター」のブラッド・ウォーターズさん、クリスチャン・フリーランス・ネットワーク「CALM(カーム)」代表の中村恵久(なかむら・よしひさ)さん、「キリスト新聞」などを発行する「キリスト新聞社」代表取締役社長の松谷信司(まつたに・しんじ)さん、そしてキリスト教式葬儀を行う「創世 ライフワークス社」代表取締役の野田和裕(のだ・かずひろ)さんの6人が登壇した。
簡単な自己紹介の後、3つの質問にそれぞれ答えるかたちで、まずトークセッションが行われた。
「ビジネスマンの福音宣教は可能か」という質問に、トップ・スペースの上原さんは、「『はこぶね便』の中で、もの作りをするクリスチャンを紹介することを通して宣教協力をしている」と答えた。またCALMの中村さんは、クリスチャンのクリエイターを教会に遣わし、ホームページを作ったり、宣教のためのアプリを開発したりすることで、福音宣教をするための手助けをしているという。
「初任給はいくら」という質問では、キングスガーデンの中島さんとライフワークス社の野田さんが具体的な金額を提示しつつ、社会保険料が引かれることや、職種によっても金額に違いが出ることなどを伝えた。トップ・スペースでは、給与査定システムを取り入れているという。
「目指すビジョン」という質問では、ライフワークス社の野田さんがこう答えた。「企業のビジョンは、働く人と一致していないと、仕事をする上での大きなストレスになるので、ビジョンを知ることは大切です」
ノーススターのウォーターズさん。「ビジネスを通してお客さんに大自然の創造主を体験してもらい、これからも日本人と外国人が共に働き、キリストの心をもってお客さんに接していくことを理念としています」
キリスト新聞社の松谷さん。「新聞という業種の厳しい現状があるが、国内外のキリスト教関係者が読むべき情報を伝え続ける使命は持ち続けなければならない。日本のキリスト教界をどう発信できるかという観点で、いろいろな業界と手を結んでいきたい。将来は、ここに参加している人たちが一つの会社の人になっていたらいいなという夢を持っています」
キングスガーデンの中島さん。「地域にあることで、共に助け合い、愛し合える社会になること、そして、その中においてキリスト教理念を実践していくことを一緒に目指していただきたい」
学生から「どのようなスキルを身につけておくべきか」、「新卒と中途採用はどちらがいいか」という質問が出ると、こんなアドバイスが語られた。
「中小企業はスキルのある即戦力を必要とする場合が多い。ただし、どの企業にも染まっていない新卒の白紙状態のほうが仕事を教えやすいということもある。TCUの場合、『大学の中でこういう奉仕をし、4年間やって、こういうことを身につけた』ということもスキルになるのではないか」
「企業はどんな学生を求めているか」、「面接ではどのようなことを聞くか」という質問には、次のようなシビアな答えもあった。
「面接では、その人が持っている資格や技術よりも、人生の目的や、この会社で働きたい理由といった、働くことへの意欲が重要なポイント。また、ここで働くことで夢を続けられるかということも大切です。働くことは楽しいこともあるが、つらいこともあるからです。会社を船にたとえて『一緒に乗りたいですか』と聞いたり、いい人だと思って採用しても、実際の現場では合わない場合もあるので、一度、現場を体験してもらったりしています。没頭できる趣味などを持っているのは強みになりますが、面接本に書いてあるとおりの答えをする人は絶対に採用したくない」
国際キリスト教学部3年の女子学生はこう感想を語った。「実際の企業がどのようなことをしているのか知ることができ、4月からの就職活動に前向きな気持ちになれました。キリスト教系の企業は魅力があるので、ビジョンが一致するところがあればいいなと思います」