9月に竣工、内村鑑三の思想が息づく「今井館」 移転事業の支援への呼びかけ

新しい今井館のイメージ図。道路を挟んで右側は六義園

今井館は内村鑑三および後継者の著書・資料を収集しキリスト教伝道を支援する拠点である。このほど、目黒区中根から文京区本駒込に移転し、今秋9月末に竣工、11月にオープンする。この移転にあたり、今井館を管理・運営するNPO法人今井館教友会(西永頌理事長)は、同館の移転事業への募金を広く呼びかけている。目標金額は5000万円で、募金期間は2024年3月まで。

今井館は、内村鑑三の雑誌の愛読者であった実業家・今井樟太郎の遺志に基づき、妻信子が内村鑑三に当時で1000円の寄付を献じ、それをもとに1907年に柏木(現新宿区北新宿)の内村鑑三の自邸内に建てられた。その後、「今井館付属柏木聖書講堂」と命名。内村鑑三は、亡くなる直前までこの講堂において、聖書の真理を説き続けた。没後5年目となる1935年には、区画整理にともない、柏木から目黒区中根に移転した。終戦直後、矢内原忠雄が今井館で講義を行った様子が、長谷川町子の自伝マンガ『サザエさん うちあけ話』に描かれている。矢内原は生涯そこで聖書講義を行い、その後も多くの無教会人が伝道に用いてきた。

長谷川町子生誕100年 記念館7月にオープン 苦難の時代にこそ「日常」を 母譲りの信仰と意外な関係 2020年12月25日

1986年には図書資料センターが増設され、2001年には今井館の管理・運営を担うNPO法人今井館教友会が設立された。さらに2003年には寄付により今井館資料館が新築された。しかし、時代と共に地代が高騰し、ここ数年は年間700万円近くの地代を支払っている状況で、このまま続けば資金の枯渇が懸念され、いずれは今井館は閉館せざるを得ないと考えられていた。そんな中、無教会の信徒から文京区本駒込の土地を好条件で賃貸したいという申し出があり、こちらに新築移転することになった。

新たに建設される場所は、江戸の二大名園として知られる六義園(りくぎえん)がある閑静な住宅街で、通称「大和郷(やまとむら)」と呼ばれる一角。新しい今井館は4階建で、1階は、内村鑑三とその思想を受け継ぐ人たちの著書約1万点を集めた書庫と閲覧室、2階は天井が高く吹き抜けになった聖書講堂を中心に、3つの集会室が設置される。3、4階には、6戸の賃貸住宅を造り一般に貸し出し、その賃料は今井館の維持・運営費に充てられる。

2階フロアー。聖書講堂は天井が高く吹き抜けになっている

今井館の移転・新築にあっては、一定額必要な資金は準備されているが、図書・資料の電子化、施設・設備の近代化等のために資金が必要であり、広く支援を呼びかけるに至った。

募金の目標金額は5千万円で、募集期間は3年間(2021年4月〜24年3月)。募金方法は、年間払い(一口を1万円としてX口を3年間お支払い)と、自由な支払い(任意額でのお支払い、回数の制限なし)の2つから選ぶことができる。

口座記号番号(ゆうちょ銀行): 00200ー2ー143580
加入者名: 特定非営利活動法人 今井館教友会

問い合わせは、今井館教友会内村鑑三記念今井館新築移転事業募金事務局(電話/FAX:04・7176・1292、メール:imaikan.bokin@td6.so-net.ne.jp)まで。

 






メルマガ登録

最新記事と各種お知らせをお届けします

プライバシーポリシーはこちらです

 

オンライン献金.com