ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)は、2023年クリスマス募金の受付を12月1日から開始した。募金目標額は800万円。ハンガーゼロが支援するエチオピア、スーダン、コンゴ民主共和国で紛争に巻き込まれた人々の支援や平和のための取り組みに用いられる。
ウクライナやガザ地区の惨状に注目が集まるが、日本のニュースに取り上げられにくい地域においてもたくさんの人たちが紛争や戦闘による危機に晒(さら)されている。ハンガーゼロでは、そういった地域に入り、食料の配給だけでなく、教育支援などを継続的に行なっている。今年の募金では、支援するエチオピア、スーダン、コンゴ民主共和国での以下のような具体的な支援内容を発表し、募金の協力を呼びかけている。
【エチオピア】 厳しい状況下の女性と女児
2020年11月3日に勃発した「ティグレ紛争」は、北部エチオピアで深刻な影響を及ぼし、何千人もの死傷者や大規模な国内避難民、またホームレスを生みました。生計が脅かされ多くの人々が貧困に陥ったアムハラ州の戦争被災地では、人々は喪失、痛み、混乱、性的暴力を経験し、そのことが心の健康と社会生活に影響を及ぼしています。 このような状況に対応するため、アムハラ地域、南ゴンダール地帯のレイ・ガイント地区とタチ・ガイント地区において、610人の女性と女児を対象に次の支援を予定してます。①心の健康と社会生活支援②女性、少女、子どもの保護と性暴力被害ケア③基礎教育と衛生用品の提供④生計向上プログラム【スーダン】 紛争から逃れた人々を支援
2023年4月15日、スーダンの首都ハルツームで、武装勢力による衝突が発生し数百人が死亡しました。武力攻撃は他の都市にも広がっていて数千人の市民が身を守るために家に閉じこもり、電気、食料、飲料水、医薬品の不足を心配しています。ハンガーゼロの現地パートナーであるライフ・イン・アバンダンス(LIA)は、今後6ヵ月の間に2,000人に食料を配給する予定です。また、近隣諸国(南スーダン、エチオピア)から流入してきた避難民のためのキャンプに蚊帳1500枚、2,000人分の食料を配給します。加えて国内の難民キャンプなどにいる1,000人の子どもたちに教育支援を行う計画です。【コンゴ民主共和国】 部族間の和解に取り組む
コンゴ民主共和国南東部のタンガニーカ州の州都カレミでは、紛争が続くピグミー族とバントゥー族のために、ハンガーゼロの現地パートナーであるHands of Love Congo (HOLC)が4年前から、和解の取り組みを続けています。HOLCは、国内避難民キャンプでの食料支援、平和と和解のための学び、「考え方(mindset)」の変革のための研修、そして両部族が共に農業に取り組むことができるように支援してきました。今では近隣の6つの村の2,524人の家族が十分食べて平和に暮らすことができています。昨今のエネルギー・食料価格の高騰やインフレなどの中でもこの取り組みが広がっていくように、引き続き支援をしていきます。
●クリスマス募金の参加方法
1 ハンガーゼロ公式ホームページ右にある「クリスマス募金」サイトまたは、同ページ下にある「わたしから始める一次募金」に入り、クレジットカードで募金できる。
2 郵便振替 00170-9-68590 日本国際飢餓対策機構 記入欄に「クリスマス募金」と明記。
問い合わせは、072・920・2225(ハンガーゼロ・広報)まで。
※写真は全てハンガーゼロ提供。