「本当に神を信じているのですか?」
これは、あるキリスト教学校に勤務する聖書科の先生が、中学1年生から最もよく受ける質問だと話していました。あくまで私見ですが、私だったらどう答えるかを考えてみたいと思います。
私は、このような質問を受けると「正直、信じていない」と答えざるを得ないかもしれません。しかし、「では、本当に信じていないのですか?」と聞かれても、「そうでもない」と答えるかもしれません。つまり、100%信じているわけではないものの、まったく信じていないわけでもない、というのが正直な実感なのです。パーセントで言うとなんとも言い難いのですが、私の信仰はおそらく20%くらいではないかと思います。つまり、20%くらい信じて、80%くらい疑っているというのが、私の実情ではないかと思うのです。
しかしこれは、特別に私の信仰が薄いということにはなりません。いろいろなクリスチャン(牧師も含む)と話してみて感じることは、多くの人は私と同じように、やはり何%かは疑っているということが、だんだんわかってきました。
もちろん、世の中には「100%信じています!」という方もいらっしゃることは存じています。しかし、私の出会う多くのクリスチャンは、だいたい数十%くらいの信仰です。
少し信仰でない例を出します。夫婦または恋人の話に置き換えてみます。妻や彼女(または夫や彼氏)を「本当に愛していますか?」と聞かれたらどうでしょう。「100%愛しています!」という方もいらっしゃるので、これも人それぞれですが、100%ではない人が多いのではないでしょうか。それが20%くらいなのか、どうなのか、人それぞれでしょうが、0%でもないですよね。「愛していないですか?」と聞かれたら「それも違います」とお答えになるのではないでしょうか。「愛する」ことと「信じる」ことは、とてもよく似ているのです。
いつのまにか、中高生向けではない回答になっているかもしれません。でも、私は「神を信じているか」と聞かれたら、「いいえ」と答えますが、「信じていないのか」と聞かれても「いいえ」と答えるだろうと思います。私は20%くらい信じて、80%くらい疑っている人間だからです。そして、それは多くの信仰者がそうかもしれません。あくまで私の経験によれば…ですが。
腹ぺこ 発達障害の当事者。偶然に偶然が重なってプロテスタント教会で洗礼を受ける。東京大学大学院博士課程単位取得退学。クラシック音楽オタク。好きな言葉は「見ないで信じる者は幸いである」。