【間もなく終了。2月27日まで】企画展「グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生」 世田谷美術館

世田谷美術館(東京都世田谷区)で好評開催中、企画展「グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生」(主催:世田谷美術館、東映、BS-TBS、朝日新聞社)が間もなく終了する。自然や素朴な暮らしを愛し、たくましく誠実に、素敵な100年を生きたグランマ・モーゼス(モーゼスおばあさん)の世界を体験できる貴重な展覧会。2月27日(日)まで。

アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《シュガリング・オフ》 1955年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託)© 2022, Grandma Moses Properties Co., NY

絵を描くおばあさんとして知られ、アメリカの国民的画家といわれるグランマ・モーゼス ことアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860–1961)。農場の主婦であった彼女が絵筆をとったのは、70歳を過ぎてから。農場をとりまく風景や生活を素朴な筆致で描いた作品により人気作家となるが、生涯、農家の主婦としての暮らしをまもり、101歳で亡くなる年まで描き続けた。

今回、生誕160年を機に特別に企画された同展は、国内で開催される回顧展としては16年ぶり。最初期の作品から100歳で描いた絶筆、また愛用品ほか関連資料まで、日本初来日を含む約130点を展示する。その生き方は、まさに「始めるのに遅すぎることはない」ということばそのもの。その作品に多くの人が勇気づけられるだろう。

アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《村の結婚式》1951年 ベニントン美術館蔵 © 2022, Grandma Moses Properties Co., NY

展示は4つの章で構成されている。第1章では、グランマ・モーゼスと縁のある場所や人生の転機となった作品、また絵画を始める前から得意とした刺繍絵などにより、グランマ・モーゼスの人物像を紹介する。第2章では、モーゼスが描く家族や村の人々との素朴な日常の暮らしを紹介する。村の人々が集まり、キルトや石鹸、ロウソク作り、作物の収穫する姿や、結婚式や引越しなどを手伝う姿をとおして、仕事が、仲間意識を育む楽しい機会であったことを教えてくれる。

アンナ・メアリー・ロバートソン・“グランマ”・モーゼス 《虹》 1961年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託)© 2022, Grandma Moses Properties Co., NY

第3章では、季節ごとの特別な行事が描かれる作品を紹介する。冬から春にかけてのメープル・シロップと砂糖を作るシュガリング・オフ。夏のピクニック、晩夏から初秋にかけてはアップル・バター作り、秋と冬にはハロウィーンやサンクスギビング、そして、クリスマスへと続く。第4章では、自然を主題にした作品を紹介。ここでは、100歳で描き絶筆となった「虹」も見ることができる。

さらに、同展では、グランマ・モーゼスが描いた作品だけでなく、愛用品や、当時の資料など約50点が併せて展示されている。彼女のお気に入りや、手作りのキルトや人形など、モーゼスおばあさんのプライベートを垣間見ることができる。特に、絵の制作時に実際に使っていたテーブルは、これまでアメリカ国外に出品されたことがない貴重な品だ。両脇の支えの板にはモーゼスにより風景画がほどこされている。また、日本とのつながりを示す資料も紹介する。

会期:2月27(日)まで。※日時指定制
開館時間:午前10時〜午後6時(入場は午後5時半まで)
会場:世田谷美術館 1階展示室
日時指定券の予約、同展の詳細はこちらから

 






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