7月27日「今こそ、救いの日」

「恵みの時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。救いの日に、わたしはあなたを助けた」と神は言っておられるからです。今や、恵みの時、今こそ、救いの日。(コリントの信徒への手紙二 6章2節)

 和解とは、裏切られた者が自分を裏切った者との交わりを求めて、「あなたを赦(ゆる)します仲直りしましょう」と申し出ることである。神はご自分のほうから謙(へりくだ)って、神を裏切っている私たちに和解を申し出られた。創造主は交わりを求める神である。私たち人聞が交わりを求めるのは、「神のかたちに似せて造られた」からである。

 神は私たちに交わりを求められる。すなわち、謙って人となられた神の御子が、十字架の死によって、私たちの罪の責任を引き受け、それによって、私たち一人ひとりに「もう、あなたがたの罪の責任を問わない。和解してください」と、交わりの手を差し伸べられるのである。神のほうが私たちに「わたしはあなたを愛している」と言われるのである。これが神の和解の言葉、イエス・キリストの福音である。

 神は全能の神であるのに、私たちなしには困るかのように、交わりを求められる。ここに神の愛がある。神がそのような愛の神であることを、私たちの誰が思ったであろう。しかし、今、悔い改めと感謝をもって、イエス・キリストを通して語っている神の和解の言葉を受け入れるなら、私たちは救われ、私たちと神との間に新しい関係が築かれる。

 今日の聖句のように、今こそ、神の救いにあずかる「救いの時」であり、「恵みの時」(「絶好の時」岩波聖書訳)である。神と和解させていただく時、私たちは私たち人間同士の間にある憎悪と敵意を克服する和解の道を示される。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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