「神に愛されている」とシンプルに感謝する経営　日本ＣＢＭＣ理事長の青木仁志さん講演会

 

青木仁志氏（あおき・さとし、日本ＣＢＭＣ理事長）の講演会「天が味方する経営──神様に約束された祝福の人生を生きる」（同主催）が１３日、お茶の水クリスチャン・センター（東京都千代田区）で開催された。ノンクリスチャンも含む１７８人が集まった。

青木氏は３２年前、人材コンサルティング企業であるアチーブメント株式会社を、マンションのオフィスでわずか５人からスタートさせた。現在では、従業員グループ連結２００人を超え、「就職希望企業ランキング」（２０１４年日経新聞）では、社員数３００人以下の中小企業部門で最高位を獲得。今年４月からは経団連にも加入するなど、創立以来業績を伸ばし続けている。

その秘訣は、「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」（ヘブライ１１：１）という聖句にあると、時にはユーモアを交えて語った。

青木氏は１９５５年、北海道函館市に生まれて、貧しく複雑な家庭環境の中で育ち、１７歳で家出同然で上京。溶接工見習いなどを経て、ブリタニカに入社するとすぐにトップ・セールスマンとなった。しかし、その頃のモチベーションは、「絶対に負けたくない。貧しくなりたくない」という劣等感から来る負のエネルギーで、業績を上げて数々の賞も受賞しても、まったく満たされることがなかった。そんな中で恩師となる夏目志郎（なつめ・しろう）氏と出会い、聖書を知り、２９歳の時に受洗した。

「その時に与えられた御言葉が、『人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい』（マタイ７：１２）です。この黄金律に対しては『はい』と言うしかなかった。この約束の御言葉を土台とした時から、私の祝福された人生がスタートしたのです。一つ確信していることは、神様から愛されていること、そして私も神様を愛していることです。どのセミナーにおいても私は、クリスチャンであることを伝え続けています。それは私の人生そのもので、神様から与えられているものだからです」

経営者にとって大事なのは、「判断力」「リーダシップ能力」「実行力」の３つ。これらは神様の御心から来るものであり、「最も人の役に立つ人間になりたい。神様、そういう人間にしてください」と心から祈ったときに神様の御心にかなうという。「アチーブメントは、毎年右肩上がりで業績を上げているが、それは神様から与えられた知識を良い方向に使えているからなのでは」

「天」という表現も、より多くの一般の人に来てもらうため、神様が与えてくださった知恵。宗教と信仰は違うものであり、「信仰は、神様と自分との関係性」と伝えている。実際、この日の講演会には約６０人ものノンクリスチャンが来場した。

また欧米に比べて、日本のクリスチャンは「証しの生き方」をできていないと指摘する。

「教会の牧師先生があるとき、巣立っていく神学生に、『あなたの信じる信仰を実存の世界で生きてください』と言ったのですが、とても感動しました。誰でも言うのは簡単ですが、行うのは難しいものです。でも、土台に御言葉を置けば、自分の大切にする価値観がその人の生き方の中に現れてくるはず。その行いが証しになるのです」

青木さんは自身の信仰を、「複雑に考えない子どものような信仰」と言う。神様を信じるのに説明はいらず、シンプルに「神様、ありがとうございます」だけ。だからこそ、「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい」（ルカ１０：２７）という言葉に素直に従えるのだという。

「自分の幸せがどれほどの犠牲によるものなのか。それを知った時に『感謝』という気持ちが生まれます。妻や社員一人ひとりがこの幸せを支えてくれています。私は、『神様は愛してくださっている』と心から思います。目に見えないけれど、実存する神が私たちの人生を作り変えてくださる。御言葉を土台にした経営を追求していくことが私の役割ではないかなと思っています」

この後、大和カルバリーチャペル主任牧師の大川従道（おおかわ・つぐみち）さんが登壇。青木さんの話を受けて、「聖書的な大きな夢・ビジョンが自分を作っていく」と述べ、「人生のマイナスは、イエス・キリストの十字架によって、すべてプラスに変えられる」と力を込めた。

今回の講演会は、日本ＣＢＭＣが新たな試みとしてスタートさせた「天が味方するシリーズ講演会」の第１回目。今後も、人生や仕事、経営などに役立つ、聖書に基づいた内容のプログラムを提供していく。第２回目の講演会は、１１月８日にロングライフ・ホールディング株式会社の遠藤正一（えんどう・まさかず）さんを講師に招いて行われる。