カトリック大阪大司教区、4月9日の聖木曜日「主の晩さんの夕べのミサ」から公開ミサを再開

 

カトリック大阪大司教区(教区長:前田万葉大司教)は25日付で「新型コロナ・ウィルス感染症にともなう措置(第4次)」という文書を発表し、公開ミサは4月8日まで引き続き中止とするが、9日の聖木曜日「主の晩さんの夕べのミサ」から再開するようにと通知した。

前田万葉大司教(写真:カトリック大阪大司教区提供)

大阪大司教区の管区地域は大阪府、兵庫県、和歌山県の1府2県。大阪府で156人、兵庫県で120人、和歌山県で17人の新型コロナ・ウイルスの感染者が確認されている(26日現在)。

大阪大司教区では2月28日付の「新型コロナ・ウィルス感染症にともなう措置(第2次)」で、2月29日から3月14日までの2週間、公開ミサを中止すると発表した。その後、3月12日付の「新型コロナ・ウィルス感染症にともなう措置(第3次)」で、3月15日から31日まで公開ミサの中止を延長している。

今回、その措置を4月8日まで続けるが、「聖なる3日間」が始まる9日の聖木曜日「主の晩さんの夕べのミサ」から公開ミサが再開されることになる。ただし、「その日までに大きな状況の悪化があれば、再開を再び延期する通知をします」とした。

ちなみに、大阪大司教区でも22日、四旬節第4主日の試験ネット中継をユーチューブで行った。19日付の「ミサの試験ネット中継のお知らせ」という文書で、「万が一公開ミサの中止を延長せざるを得なくなった場合に、大阪教区として聖週間の典礼をネット中継することを考えています」と発表し、その準備の一環として配信したものだ。

新型コロナ・ウィルス感染症にともなう措置(第4次)」の全文は次のとおり。

公開ミサを3月末まで中止にしていましたが、その後の措置について以下のようにすることといたしますので、お知らせいたします。

 大阪教区での公開ミサは、4月8日(水)までは引き続き中止とし、4月9日(木)の聖木曜日・主の晩さんの夕べのミサから再開してください。ただし、その日までに大きな状況の悪化があれば、再開を再び延期する通知をします。

 4月5日(日)、枝の主日(受難の主日)は、公開ミサはまだ行いませんが、小教区司牧担当司祭は、可能であれば侍者や数名の信者とともにミサをささげ、小教区の信者のための枝を祝福してください。枝は後日、信者が自由に持ち帰られるようにします。

 4月8日(水)に予定していた聖香油ミサと金祝等司祭祝賀会は、5月20日(水)11時に延期します。この日の10時30分に予定されていた司祭評議会は、同日9時30分に変更します。

 聖なる三日間の典礼に関しては、3月19日のバチカン典礼秘跡省の教令に基づいて次のような変更を加えてください。

a)聖木曜日:任意とされている洗足式は省きます。主の晩餐の夕べのミサの結びに行われる、安置所に向かう聖体の行列は省かれ、聖体は通常の聖櫃に安置します。

b)聖金曜日:盛式共同祈願に以下の意向を追加します。

〈新型コロナ・ウイルス感染症に苦しむ世界のために〉

助 新型コロナ・ウイルス感染症に苦しむ世界のために祈りましょう。神が苦しむ人々を支え、病への恐れと不安を取り除いてくださいますように。
(しばらく沈黙の後、唱える。)

司 希望のよりどころである神よ、病に苦しむ人に必要な治療を与え、医療に携わる人を感染からお守りください。ともにいてくださるあなたに支えられ、不安と混乱に襲われた世界が希望を取り戻すことができますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

c)復活の徹夜祭:「光の祭儀」では、火の祝福を省き、復活のろうそくをともし、行列を省いて復活賛歌を唱えます。続いて「ことばの典礼」を行います。

 洗礼式を徹夜祭中に行うかどうかは、小教区の司牧責任者に一任します。

 その他の注意事項

(ア)体調が不良の場合は無理をせず、ミサ参加の自粛をお願いします。また、高齢や基礎疾患があってミサに参加することが不安な方も同様です。そのような場合、ミサにあずかる義務はありません。

(イ)司祭はミサ前に必ず十分に手洗いを行ってください。さらに、司祭と臨時の聖体授与の奉仕者は、聖体を授与する前に手を洗うか消毒するかしてください。

(ウ)ミサを司式する司祭は、熱があったり咳(せき)が出たりするなど風邪の症状がある場合、ミサを司式しないようにしてください。主日のミサを代行する司祭が見つからない場合、ミサを中止してかまいません。その場合、信者は主日のミサにあずかる義務はありません。

(エ)ミサの前後やミサ中、なるべく聖堂の窓を開け、換気に心がけてください。

(オ)聖堂内ではなるべく離れて座るように、可能ならばベンチの前後の間隔を広げたり、椅子の置く範囲を広げたりしてください。

(カ)ミサに参加する場合は、なるべくマスクを着用してください。聖書朗読者や先唱者、侍者であってもマスクを着用してかまいません。

(キ)当面の間、ミサ中の歌う箇所や聖歌は歌わず、唱えてください。会衆が答える箇所では、代表(司会者や先唱者など)がマイクで答え、会衆は大きな声で答えないように留意してください。

(ク)ミサ中のパンとぶどう酒の奉納は当面控えてください。あらかじめ祭壇近くに用意してください。

(ケ)聖堂や信徒会館などの入口には、手指消毒用のアルコールを設置するよう心掛けてください。

(コ)当面の間、聖堂入口に設置されている聖水盤などには聖水を入れず、使用禁止の張り紙を貼ってください。聖水がウイルスを媒介するのではなく、多数の方々が指で触れる聖水盤に危険があるとされるためです。

可能な限り、このお知らせを、外国人信徒を含めてすべての信徒にお知らせいただくようお願いいたします。なお、このお知らせの主要外国語版を順次以下に掲載いたしますので、ご利用ください。

この災禍の一日も早い終息のためにともに祈りましょう。

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

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