水を治める者が「王」なんです【聖書からよもやま話608】

主の御名をあがめます。
皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。

本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は旧約聖書、列王記第二の2章です。よろしくどうぞ。

列王記第二 2章21節

エリシャは水の源のところに行って、塩をそこに投げ込んで言った。「主はこう言われる。『わたしはこの水を癒した。ここからは、もう、死も流産も起こらない。』」
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

エリコという街の人たちは水に困っていました。「ここは住みやすい街だけれども、水が悪くて流産が後を絶ちません」と相談されたエリシャは水源に塩を投げ込んで清めました。それでエリコの街の人たちはそれ以降、水の毒に悩まされることはなくなりました。

水というのは大切なものです。生きる上で何よりも欠かせないものです。現代日本でも、電気は料金を払い忘れると割とすぐに止められてしまいますが、水道は料金を払い忘れてもそう簡単には止まりません。それくらい、現代においても水というのは命に直結するものと認識されています。社会には電気・ガス・水道・インターネット・道路・郵便など様々なインフラがありますが、その中で最も重要で、もっとも古い歴史を持つのは水道です。水こそが人類最古のインフラであると言えるでしょう。

古代エジプトでもナイルの治水によってこそ文明が発達したのですし、古代中国でも最古の王朝である夏王朝を開いた禹という人は、黄河の治水に成功して帝になりました。古代において王朝とは「水を治めた者」あるいは「水を治める力」と言っても過言ではないでしょう。

エリシャは神の力によって、人々に安全な水を提供しました。つまり神が「水を治めた者」であり「水を治める力」となったということです。国は水を治める者の支配下に入りますから、エリコの人々は神の支配下に入ったということです。

それは現代においても本質は同じです。もしダムに毒を入れられたら、その水系に住む人はたちまち病気になったり死んだりしてしまうでしょうし、ダムをミサイルで攻撃されたら下流の人たちはたちまち洪水に襲われます。水源を奪われることはまさに国にとっての死活問題です。だからこそ、水源の確保や治水というのは現代でもどこの国でも実は最優先の政策事項です。あまりにも身近で「あたりまえ」すぎて気づきにくいかもしれませんが。今でも貧しい発展途上国では水の供給に苦しんでいる地域が少なくありません。水は国が発展する上で、まず第一に整わなければならないインフラですし、国が国であるために必ず守らなければならないインフラです。経済が壊れても、流通システムが壊れても、エネルギー資源が失われても、たしかに国は困りますし、そこに生きる僕たちも困りますが、もっとも致命的なのは水源と治水が壊れることです。それが壊れた時、奪われた時、国も僕たちの生活もあっという間に失われます。

僕たちは蛇口をひねればすぐに清潔で安全な水を飲むことができ、さらにはシャワーを浴びたり風呂に入ったりすることさえもできます。ちょっと出かければプールで泳ぐことだってできるでしょう。そしてそれを「あたりまえ」だと思っています。でもだからこそ、あらためて水の大切さ、水源の貴重さ、治水のありがたさを見直し、感謝しなければいけないと思います。僕たちの命は電気でも石油でも情報でも経済でもなく、まず水によって保たれているんです。水こそが神様から僕たちへの何よりの贈り物なんです。

それではまた次回。
主にありて。

MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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