新しいぶどう酒は、新しい革袋に!
〈評者〉瀬戸英治
オンライン教育の必要性
訳者である大倉一郎氏が本書を翻訳する動機には、訳者が牧師として所属する日本キリスト教団北海教区の事情があった。北海道の教会は広大な地域に散在し、農村部の教会は教会員が減少し、単独で牧師を招聘できない教会が増えている。そういう中で北海教区は、信徒が「宣教主事」という肩書で牧師の働きを担う制度をスタートした。そこで課題となったのは「宣教主事」の牧会者としての基礎的神学の教育をどうするか?ということであったと聞く。都市部に暮らす神学の素養のあるものが教えるにしても、遠く離れた地方の受講者と会うこともままならない。そこで大倉氏が注目したのがオンラインによる授業であった。それに加えて、献身の思いがあっても様々な理由で神学校に行くことのできない人が、全教科の試験を受ける「Cコース」にしても、神学の学びのサポートが必要だった。大倉氏はそこにオンラインでの必要性を考え、オンライン教育の研究書を求めた。
導入はしたものの
一方通行から双方向へ
オンラインの枠を超えて
瀬戸英治
せと・えいじ=農村伝道神学校特任教師