WCC、WCRP日本委員会、ノーベル平和賞の日本被団協に「今後も支援」 

ノルウェーにあるノーベル平和賞の選考委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会に授与することを発表した。この決定を受け、世界教会協力議会(WCC)と世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会は、日本被団協への祝福と同時に核兵器なき世界への実現に向けた取り組みに力を尽くしていくことを発表した。

日本被団協は広島と長崎の被爆者の全国組織で、原爆投下の11年後の1956年に結成され、被爆者の証言などをとおして核兵器の非人道性を訴え続けてきた。今回の受賞は、およそ70年にわたり続けてきた核兵器廃絶のための草の根が運動が評価されたもの。

WCC教会委員会担当部長であるピーター・プルーブ氏は、WCCとその加盟教会は、1948年の設立総会で核兵器による戦争の可能性を「神に対する罪であり、人間の堕落」と表現し以来、「統治機関、機能委員会、加盟教会を通じて、核兵器の完全な廃絶を訴え続けている」ことを伝えた。そのうえで「WCCは核兵器の脅威をこの世界から取り除くためのあらゆる取り組みを今後も支援する」と強調する。

また、「私たちは日本被団協を祝福し、世界中の教会がすべての政府に核兵器禁止条約に署名・批准し、核兵器実験が行われた人々と土地に核をめぐる正義と環境の修復を提供するよう呼びかける取り組みを今後も支援していく」と述べ、「これらの兵器には安全はなく、存在し続ける限り、永続的な不安があるだけだ。人間の本性と、これまでに知られている誤りや事故の歴史から、このような兵器が安全でないことは明らかだ」と語った。

WCRP日本委員会理事長の戸松義晴氏は、「さまざまな宗教者からなるWCRPは、創設以来、宗教的信念をもとに『核兵器なき世界』の実現を求めてきたが、いつも被爆者の皆様の核兵器廃絶に対する真摯な思いと行動から、人道主義による平和運動の大切さを学んできた」と話す。また、「日本被団協の受賞がWCRPにとっても大きな喜びであり、励ましとなった」と述べ、「この度、改めてWCRPは被爆者の皆様の切実な訴えを心に刻み、1日も早い『核兵器なき世界』の実現に力を尽くす決意を新たにしていく」と力を込めた。

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