日本基督教団が6年半ぶりの青年大会 全国6会場つなぎ約270人参加

日本基督教団教会青年大会実行委員会(堀川樹委員長=亀戸教会牧師)は9月16日、全国6カ所(北海道、仙台、東京、名古屋、大阪、九州)の会場をオンラインでつないだ青年大会を開催した。当日は約270人の中高生、大学生、社会人、教職者らが各会場に集まり、同時に礼拝をささげ、講演を聞き、グループで交流を深めた。

教団はこれまで、伝道委員会、教育委員会、伝道推進室の共催で教会中高生・青年大会を2014年に実施(YMCA東山荘、約400人が参加)。2017年夏には宗教改革500周年事業として、教会中高生大会を軽井沢で(参加者は約200人)、2018年春には青山学院大学で1000人規模の教会青年大会「リフォユース500」を初めて超教派で開催した。

青年を対象とする全国大会はコロナ禍を挟み6年半ぶり。今回は財政的な事情なども鑑み、これまでのように1カ所に集まり宿泊を伴う形での開催ではなく、各会場で青年たちが集まる場が備えられるように、継続可能な青年大会となるようにとの願いから、1年間の準備期間を経て地域分散型・オンライン併用による大会の開催に至った。

北海道会場から野田沢氏(学生キリスト教友愛会=SCF=主事)が開会礼拝のメッセージを担当。東京会場では青年が率いる賛美チームが賛美をリードし、続いて大阪会場から堀岡満喜子氏(北陸学院学院長)、東京会場から久保哲哉氏(聖学院中学校・高等学校チャプレン)がそれぞれ講演した。

堀岡氏は、いずれ必ず死ななければならない命の意味や生きることの窮屈さについて考えていたという中学時代を振り返り、「感受性が強い人ほど生きにくい現代社会」で抱える葛藤に共感を示した。また現実から逃避させ、民衆に諦めを説く宗教を「アヘン」と非難したマルクスの言葉を引用し、「教会が現実に対峙するのではなく、苦しみや悲しみを和らげるだけの場所になっていないか」と提起。ヨハネによる福音書15章のぶどうの木のたとえから、互いにつながり合うことで「豊かに実を結ぶ」重要性を強調しつつ、「時空を超えて私たちのいる場所に来られ、問題にあふれた現実を引き受け、つながってくださる方がいる」と呼び掛けた。

参加者からは、「同世代の方とまじわることが今までなかったので、今回参加できて交流を深められてよかった」「教団の中にも新しい礼拝の形が生まれてきて嬉しい」などの感想が寄せられた。

実行委員長の堀川氏は、一度立ち止まっていた青年大会が再び歩み出すことができたことについて「映像、音声など各会場での見え方、聞こえ方など課題はなおあったが、全国の諸教会、伝道所、教職、信徒、さまざまなお支えをいただいて開催することができたことを素直に感謝したい」とし、「6会場に分かれて開催となったのは、その地域ごとに青年活動ができるように願ってのこと。全国各地に諸教会、伝道所が立てられている日本基督教団だからこそできる青年伝道がここにあるとの思いが与えられた。各個教会ではできない伝道がここに示されたように思っている。これからも青年が仲間たちとイエスさまとconnect(コネクト)できるように祈りつつ、なすべきことを示されて行っていきたい」と話した。

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