韓国キリスト教教会協議会(NCCK)100周年を記念する会議で、世界教会協議会(WCC)国際問題委員会担当部長のピーター・プルーブ氏は、「朝鮮半島の恒久的平和体制のための世界的エキュメニカル共同体の役割」に関するパネルディスカッションの一環として発言した。
「昨年末の金正恩氏の北朝鮮統一政策終了の発表は、これまでのエキュメニカルな取り組みの基礎となった地盤の地殻変動を表している」とプルーブ氏は述べた。 「これまでの私たちの願いを考えると、これは痛ましい現実の確認だ」
同氏は続けて、韓国と北朝鮮のキリスト教徒間の関係への連帯と寄り添いを通じて教会が提供する希望、そして地域の平和と和解を求めるキリスト教徒の願いへの支援について語った。
「この新しく深刻な課題を抱えた地政学的な状況において、世界のエキュメニカル共同体の役割は、団結と寄り添いという役割であり続けなければならない」 「さらに、この地域における地政学的な緊張の高まりと再軍備の状況において、教会の世界的な交わりの連帯と寄り添いは、軍事的対立ではなく対話と平和をさらに強力かつ持続的に擁護する形で表現されなければならない」
プルーブ氏は、北朝鮮が核兵器能力を獲得するのを阻止する努力は明らかに失敗したと指摘。「北朝鮮が一方的に核兵器を放棄しないことは、もはや明らかである」「 しかしながら、北朝鮮は、核兵器禁止条約で定められたような多国間核軍縮のプロセスに参加することに前向きの姿勢を示しており、そのようにした唯一の核保有国である」と述べた。
さらに、平和と朝鮮半島の非核化に関心を持つエキュメニカル運動のメンバーに対し、より多くの国がこの条約に署名し批准するよう主張を強化するよう求め、北朝鮮の核兵器取得を阻止できなかった最大限の圧力による制裁は引き続き維持されるが、現在では北朝鮮国民に対して一種の経済戦争を仕掛けること以外にはほとんど目的を果たしていないと付け加えた。
「人道的観点から、これらの制裁の撤廃または緩和を求める国際エキュメニカル共同体による継続的かつ強化された支持が切実に必要とされており、それは平和的共存に向けた対話のための政治環境を改善するという目的にも役立つかもしれない」
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)