キリスト教書店大賞2024 ノミネート10作品発表 書店員が選ぶ「売りたい・お勧めの本」は?

「キリスト教書店大賞2024」(主催:キリスト教出版販売協会)のノミネート作品が発表された。ノミネートされたのは、ノンフィクションライターの最相葉月氏によるインタビュー集『証し 日本のキリスト者』をはじめとする10作品。8月上旬に大賞が発表される予定だ。

同賞は、キリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教専門書店が、過去1年間に刊行された本から「売りたい・お勧めの本」を投票形式で選ぶ賞。2011年から始まり今年で14回目となる。昨年は、平良愛香氏(日本基督教団川和教会牧師、農村伝道神学校校長)が監修を務めた『LGBTとキリスト教――20人のストーリー』(日本キリスト教団出版局)が選ばれた。

選出方法は2段階。まず一次選考で、主催するキリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教書店の店員が、2023年に出版された本の中から「いちばん読んでほしい本」を投票形式でノミネート作品を選ぶ。それから3カ月の間に、二次選考で大賞が決まる仕組みとなっている。選考結果は、投票に参加した全国のキリスト教書店の店頭、フェイスブック、主なキリスト教新聞、雑誌などで発表する。

2024年ノミネート作品は以下のとおり。(タイトル50音順)

『証し 日本のキリスト者』
最相葉月 著
定価 3,498円 KADOKAWA
書店からのコメント:少数派である日本のキリスト者。多くの牧会者と信徒の方々の体験を基にした「証し」が決して一様でないことを考えさせられる。自分自身の信仰について振り返る時に良い示唆を与えてくれる本。(横浜キリスト教書店 高橋友彦さん)

『あなたはあなたのままでいい とっておきの聖書のことば23』
片柳弘史 著
RIE 絵
定価 1,598円 PHP研究所
書店からのコメント:聖書の一節と片柳神父さまの話、RIEさんのイラストが優しく、そばに置いて読みたくなります。(教文館キリスト教書部 石中頼子さん)

『疑いながら信じてる50 新型キリスト教入門 その1』
富田正樹 著
定価 1,540円 ヨベル
書店からのコメント:入門者におすすめ。加えて信仰歴の長い方にもおすすめしたい。(リバーサイドブックス 川端洋一さん)

『カール・バルト《教会教義学》の世界』
寺園喜基 著
定価 3,080円 新教出版社
書店からのコメント:膨大なバルトの著書を一望できる入門書。(キリスト教書店ハレルヤ 嶋津秀成さん)

『交差するパレスチナ 新たな連帯のために』
在日本韓国YMCA 編
定価 2,640円 新教出版社
書店からのコメント:今こそパレスチナ問題を再考すべき。(名古屋聖文舎 伊奈均志さん)

『これからを生きるあなたへ 聖書の知恵 箴言31日』
小林よう子 著
定価 1,320円 日本キリスト教団出版局
書店からのコメント:厳格な家父長制の時代に父から子へ語られた厳しい言葉の裏側を、今を生きる人たちにもぜひ伝えたいと、言葉のもつ可能性を信じ、なおかつ、神さまのあたたかいまなざしをきっちりと詰めた1冊です。(善隣館書店  大森紀代美さん)

『非暴力の教育 今こそ、キリスト教教育を!』
小見のぞみ 著
定価 1,760円 日本キリスト教団出版局
書店からのコメント:教える者と教えられる者が認め合い、学び合い、感謝し合う、そこに教育がある。(京都ヨルダン社 田代伸一さん)

『保育者の祈り こどものために、こどもとともに』
望月麻生 監修・著
小林路津子/新井 純 著
定価 1,320円 日本キリスト教団出版局
書店からのコメント:こどもの心に寄り添い、隠れた思いを無視せず、丁寧に拾い上げて、より良いものへと導こうとする、保育者の祈りの言葉が書かれています。(CLCからしだね書店 坂岡凱歌さん)

『夕暮れに、なお光あり。 老いの日々を生きるあなたへ』
小島誠志/川﨑正明/上林順一郎/島しづ子/渡辺正男 著
定価 1,650円 キリスト新聞社
書店からのコメント:熟練の牧師5人の共著で、大変読みやすく、ユーモアも交えた著書です。プレゼントに買っていく人が多く、年配の方々にもお勧めします。(松山キリスト教書店 平岡光司さん)

『わたしが「カルト」に? ゆがんだ支配はすぐそばに』
齋藤 篤/竹迫 之 著
川島堅二 監修
定価 1,650円 日本キリスト教団出版局
書店からのコメント:旧統一協会が話題になり気になっていた時にぴったりでした。体験談など読みやすかったです。しかし内容が軽いわけではなく凝縮した1冊になっていると思います。(エッサイの木 永野香織さん)

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