6月7日 列王記上18章21節

あなたたちは、いつまでどっちつかずで迷っているのか。もし主が神であるなら、主に従え。もしバアルが神であるなら、バアルに従え。
列王記上18章21節(参考箇所同書18章1〜46節)

預言者エリヤにとってバアルの神との戦いは重要な使命でありました。時の王アハブは妻イゼベルのいうままにバアル信仰を受け入れてしまいます。そのためイスラエルの民たちの間にもバアル信仰を受け入れる者もいたと思われます。

エリヤは人々の間に混乱が生じていることを憂い、イスラエル伝来の信仰を取り戻そうと、バアルの預言者たちとの直接対決を試みたのです。彼は人々に信仰の決断を迫ります。バアルか、主なる神か、どちらを信じるのかはっきりせよと言うのです。しばしばなにを信じても結局は同じという人がいますが、信仰とは一途なものです。信じる道は歩き出した道筋一本しかありません。どの道を歩いても同じと言うなら、歩き出していないからそう言えるのです。

エリヤは、どの道を選ぶかを決定する決め手は、人が働きかけなければ起きない神なのか(27〜29節)、人に働きかけてくださるお方であるか(36〜37節)を知ることにあると教えているのです。この選択原理は時代を越えて現代でも十分通用します。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

この記事もおすすめ