5月7日 出エジプト記31章16節

 イスラエルの人々は安息日を守り、それを代々にわたって永遠の契約としなさい。
出エジプト記31章16節(参考箇所同書31章12〜18節)

神はイスラエルの民に十戒を与えられ、律法を守るよう、モーセを通して教えられます(20章22節以下)。これらは荒れ野を旅する民の信仰と生活の維持のためでした。しかし聖書は事細かな規定や形式に込められている本質とは何かを明らかにすることを忘れていません。

それは安息日を守ることでした。天地を造り、歴史に働き、人を自由へと解放する神を記念することが信仰による共同体を正しく保つ行為であるとしたのです。その意味で、どれほど事細かな律法の定めがあろうと、安息日の戒めが、すべての律法の締めくくりの行為であることが明らかにしているのです。

今日のわたしたちにとっては、礼拝を守ることに他なりません。礼拝は、神を讃美し、祈り、信仰を告白し、また社会を創造者の御心に添うよう正しく維持するためのものです。神との関係を保つ生活の締めくくりのようなものです。教派によって、礼拝のかたちはさまざまです。しかし、礼拝に込められた根本の精神は変ることはありません。わたしたちの生活が煩雑になればなるほど、礼拝を守ることによって何が本質であるかを取り戻す必要がありましょう。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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