「バチカンと日本 100年プロジェクト」長崎県で展開 角川文化振興財団と共同で

公益財団法人角川文化振興財団(理事長:角川歴彦)と長崎県が共同で取り組む国際文化交流プロジェクト 「バチカンと日本 100年プロジェクト」の記者会見が14日、同県の中村法道(なかむら・ほうどう)知事、同財団の角川歴彦(かどかわ・つぐひこ)理事長の登壇のもと、長崎県庁特別会議室で行われた。カトリック長崎大司教区、高見三明(たかみ・みつあき)大司教も同席した。

左より中村法道知事、角川歴彦理事長、高見三明大司教

これは、バチカンと日本の450年にわたる文化交流の歴史を明らかにし、両国のさらなる友好に寄与することを目的にしたするために角川文化振興財団が発足した「バチカンと日本 100年プロジェクト」の一環として展開する。中村知事は、来年4月に、長崎とバチカンの文化交流に関するシンポジウムを同県で開催することを発表したうえで、次のように語っている。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を有し、バチカンと深い関わりを持つ長崎県にとって、大変意義深いことであると考えております。角川文化振興財団の皆様方には、遣唐使船の活用そしてバチカンプロジェクトのご提案に対しまして、改めて深く感謝申し上げる次第であります。今後とも、本県の特色ある歴史や文化の発信、交流人口の拡大に向け、今後ともお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。

角川理事長は、26聖人の列聖が世界中のカトリック信徒から驚きをもって迎えられたことなどに言及し、日本とバチカンの関係において長崎は、特別な位置を占めていることを話した。また、長崎県内外の教会群が世界遺産となったことも踏まえて、この事業を続けるためにカトリック長崎大司教区にも協力をお願いした。

高見大司教は、両国が接した過去450年の「中身の濃い歴史」を紐解きながら、今の、そしてこれからの長崎や日本のありようを考えるのはとても素晴らしいことだと述べた。そして、同プロジェクトに対して、このような思いを伝えた。

私たちはたくさん得ることがありますし、多くの方々に文化を紹介しすることでそうした皆さまへの寄与もあると思います。日本はこれまで中国をはじめ、ヨーロッパなどとの交流を深めてきたわけですから、他の様々な文化、考え方、歴史をもっと深く学ぶことで、私たち自身の文化的感覚を高め、お互いの違いを認め合って、平和な社会になるように働けたらと思っております。

※長崎県内における同プロジェクトの活動は次のとおり。

2022年4月2日(土) 「殉教血史 日本二十六聖人」上映会
於 浦上天主堂 チャペル
無声映画/活動弁士・楽団付
午後1回上映/入場無料/事前に入場整理券発行

2022年4月3日(日) 「沈黙-サイレンス-」上映会
於 長崎歴史文化博物館
午後2回上映/入場無料/事前に入場整理券発行

2022年4月10日(日) バチカンプロジェクト公開シンポジウム
於 長崎ブリックホール
バチカンプロジェクトにおける調査研究の成果を発表

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