カトリック大分教区(教区長:浜口末男司教)は26日、「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う3月29日以降(含聖週間)の対応」という文書を発表し、29日以降も公開ミサの中止措置を継続し、それには「聖なる3日間」の典礼も含まれるとした。ただし、諸条件を満たした場合には主任司祭の判断でミサを挙行することを認めるという。また、「聖なる3日間」と「復活祭」の典礼は、信徒が参加しない場合でも主任司祭は挙行するようにと指示した。
大分教区の管轄区域は大分県と宮崎県の2県で、新型コロナ・ウイルスの感染者は大分県で25人、宮崎県で3人確認されている(27日現在)。
大分教区は2月28日に、「新型コロナ・ウイルス感染症に伴うミサなどの行事の延期、中止について」という文書を発表し、「小教区における3月1日と3月8日の主日のミサ(前晩のミサも含みます)を中止し、主日のミサの参加義務を免除します」と通知。その後、3月9日付「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う主日のミサ中止措置の延期について」で「3月15日の主日のミサも中止します」とし、さらに19日付「新型コロナ・ウイルス感染による主日ミサ中止措置の継続について」で「3月22日まで、主日のミサ中止措置を継続することを基本とします」と、3月中の主日ミサを中止してきた。今回、4月に入っても公開の(会衆が集う)主日のミサを中止する措置を継続し、最も人の集まる9日(木)からの「聖なる3日間」の典礼も中止されることになった。
「新型コロナ・ウイルス感染症に伴う3月29日以降(含聖週間)の対応」の全文は次のとおり。
新型コロナ・ウイルス感染症の世界的流行によって、わたしたちは困難な時期を過ごしています。信仰生活の中心となる聖なる三日間の典礼も、共同体として捧げることができなくなるような状況です。3月19日(聖ヨゼフの祭日)に、まもなく迎える復活祭に関して、典礼秘跡省から教令が発布されました。この典礼秘跡省の一般的指針に基づき、大分教区の対応を定めましたので、お知らせいたします。
1 原則
3月29日以降も、小教区での公開の(会衆が集う)主日のミサ中止措置を継続することを基本とします。これには聖なる三日間の典礼も含みます。この措置を解除するときは、改めて通知します。
2 会衆が集うミサを挙行する条件
ただし、以下の条件を満たした場合、主任司祭の判断でミサを挙行することを認めます。
①体調が悪い方は参加しないこと。
②発熱・呼吸器症状のある方(2週間以内に家族内にいた、もしくはそういう方との接触があった方)の参加しないこと。
③一ヵ月以内の海外渡航歴がある方(もしくは該当者と2週間以内に接触のある方)は参加しないこと。
④手指消毒・環境衛生を徹底すること。(ミサ前後の聖堂内のバンコなど人が触れたものの拭き上げの実施、また出入り口に消毒液の設置など。)
⑤可能な限り隣の人と距離を取ること。
⑥扉や窓を開け、換気を常に行うこと。
⑦典礼に要する時間を可能な限り短くすること。(例えば聖歌を歌わない、説教を短くするなど)
⑧聖体拝領は手のみとし、口では受けないこと。
⑨マスクを持っている人は、着用したまま参加すること。
⑩ミサに参加できない信徒のために、前もって『聖書と典礼』などを配布すること。3 聖香油ミサは、4月8日(水)午前11時より、司祭団のみで挙行します。信徒の方は、参加をご遠慮ください。
4 聖なる三日間の典礼に参加できない信徒は、自宅などで、聖木曜日に聖体に対する祈りを、聖金曜日に十字架の道行きをしましょう。また、この日の大斎小斎の務めを、病気の人々のためにお捧げしましょう。
5 会衆がいないミサを挙行する場合(主任司祭向け)
(1)聖なる三日間および復活祭の典礼は、信徒が参加しない場合でも、主任司祭は挙行してください。
(2)主任司祭は、信徒が同じ時間に自宅などで心を合わせて祈ることができるように、典礼を挙行する時間を信徒に知らせてください。
(3)前もって『聖週間の典礼(会衆用)』や『聖書と典礼』を信徒に配布するなど、参加できない信徒が、自宅などでも黙想できるよう配慮してください。
(4)東京教区、大阪教区では、映像配信を行なっているので、信徒に案内してください。
むすび──典礼に参加できない信徒のための指針
世界規模のコロナ・ウイルス・パンデミックの中で、わたしたちの信仰の中心にある主の受難と復活をどのように記念したらよいのでしょうか。
今のところ日本は、何とか爆発的感染を抑えてはいますが、減少傾向に向かうことができずにいます。たとえ減少傾向に向かったとしても、一つになった世界の中にあって、日本の情勢だけで物事を判断してはならず、警戒を怠ってはならないと思います。
1 教皇様は、すべてのキリスト教徒に対して世界一斉の祈りを呼びかけておられます。「ウイルスによって引き起こされたパンデミックに対して、わたしたちは祈りの普遍性と、慈しみとやさしさでこたえたいと思います。一つに結ばれていましょう。最も孤独で疲れた人たちに思いを寄せましょう。医師や医療従事者、看護師、ボランティアたちに思いを寄せましょう。差し迫った手段を講じなければならない指導者たちに思いを寄せましょう。街の秩序を維持し、政府の指導が守られるよう努力している警官や兵士たちに思いを寄せましょう。すべての人に思いを寄せましょう」と。
2 聖週間の典礼はカテドラルと小教区で執り行われています。出来れば時間を合わせてお祈りください。
3 聖週間は典礼の頂点であり、復活はわたしたちの信仰の中心です。復活したイエス様は典礼を通して秘跡的にわたしたちを訪れてくださいますが、日常生活の中でもわたしたちと「共に」いてくださいます。典礼に与れない今年はとくに、「いつも共にいてくださる」イエス様に対する信仰を新たにいたしましょう。