聖学院大学学長と聖学院理事長・院長を務めた阿久戸光晴(あくど・みつはる)氏(67)が4月1日付で福岡女学院大学・福岡女学院大学短期大学部(福岡市南区)の学長に就任した。前任は髙島一路氏。
入学式が4月2日(月)に行われ、746人(大学、大学院、短期大学部、編入生を含む)の新入生を迎えた。阿久戸新学長が式辞で、「これからの新しい時代を生きる力となる人間性と、その価値を育み、世界で共通するコミュニケーションの土台を確立してほしい」と話した。
阿久戸氏は1951年、東京都生まれ。当時、東大生だった家庭教師の近藤勝彦氏(東京神学大学元学長・名誉教授)の影響で日本基督教団滝野川教会に通い、開成高校時代に受洗。一橋大学の社会学部と法学部を卒業後、75年、住友化学工業に入社し、薬害訴訟など法務を担当した。
85年、聖学院大学開設(88年)のため、聖学院理事長だった大木英夫氏(滝野川教会牧師)の秘書として聖学院に転職。翌年、東京神学大学大学院神学研究科博士前期課程に入学。90年に神学修士を取得。同年、渡米し、聖学院アトランタ国際学校の初代事務局長と聖書科教諭を務めつつ、夜間はエモリー大学大学院神学研究科MTSコースで学ぶ。93年からジョージア大学大学院法学研究科特別研究生。
95年、聖学院大学政治経済学部助教授(02年に教授)兼チャプレンと滝野川教会協力牧師に就任。2000年、同大副学長、03年、同大学長、11年、聖学院理事長を兼任。12年、聖学院理事長兼院長、滝野川教会主任牧師。専攻分野はキリスト教倫理学・憲法学。聖学院と滝野川教会はディサイプルス派。
福岡女学院の始まりは、1885年に来福した米国メソジスト監督教会派遣のジェニー・ギールが英和女学校(福岡女学院の前身)を開校し、初代校長となったこと。1919年に福岡女学校と改称し、21年、制服をセーラー服に制定したことが発端となって全国の女学校に広まったといわれる。64年に福岡女学院短期大学(99年、福岡女学院大学短期大学部に改称)、90年に福岡女学院大学が開学した。
ちなみに、福岡女学院高校の出身者として梓みちよ、伊佐山ひろ子、藤吉久美子、広瀬香美、牧瀬里穂などがおり、短期大学の出身者として板谷由夏がいる。