3月31日のイースターに民放ラジオ局LBC(ロンドン)のインタビューで、無神論者で有名な進化生物学者リチャード・ドーキンス氏(オックスフォード大学)が「キリスト教はイスラム教に対する防波堤である」と語った。ドイツメディア「IDEA」が報じた。
ドーキンス氏は100万冊以上の売り上げを記録した『神は妄想であるか』などの執筆を通して、新無神論的な活動を牽引してきた。神学界からはA・E・マクグラス、J・C・マクグラスが『神は妄想か? 無神論原理主義とドーキンスによる神の否定』を出版するなどして舌戦を繰り広げていた。
彼はヨーロッパに最大6000ものモスクが建設されようとしていることを批判し、「キリスト教がイスラム教に取って変わられることは望んでいない」との旨を述べた。
ドーキンス氏は明確な信仰を表明していない。実際処女懐胎やイエスの復活については「ナンセンス」と語っている。他方ワーシップソングについては好んで聴くことやキリスト教的なエートス(ある社会集団・民族を支配する倫理的な心的態度)については「なんとなくくつろげる」とのこと。
昨今のヨーロッパにおけるイスラーム化については「もしキリスト教の伝統が失われたら、社会は何かを失ってしまうだろう」と述べ、「敬虔なキリスト教徒が減少することは歓迎すべきだが、それにより大聖堂や教会の消滅につながるのであれば残念なことである」と結んだ。
(翻訳協力=福島慎太郎)