Q.私は教会員ですが、非信徒(未信者)の彼と教会で結婚式を挙げられますか?(20代・女性)
「おめでとう! もちろん式を挙げられますよ。信者かどうか、問いませんよ」とA教会。「そうですか、未信者の彼と共に聖書から結婚の学びが必要ですね。ぜひ礼拝にも……」と、条件付きで話が進むB教会。「結婚とは、教会の秘蹟です。神さまの不思議に満ちた、二人を一つにするサクラメントですから、キリスト者同士であることが求められます。だから、それ以外の場合は原則としてはお断りしているのですよ」とC教会。「私たちは、未信者との結婚を認めていません。信仰の角質はあなたが想像する以上に深刻な問題です」と険しい表情のD教会牧師。
このように教会の反応は多様です。あなたの教会はどの考えでしょうか? いずれの考えも理由と歴史があります。
多くの教会はB教会のように、礼拝出席や、カウンセリング、学びを条件に、信者・未信者を問わず受け入れています。しかし、C、D教会のように、未信者との結婚、結婚式を原則としては勧めない場合もあります。それは、結婚後の価値観の衝突、優先順位の違い、教会生活の困難さが予測されるからです。この「不釣合いのくびき」がお互い身体に食い込み、2人を締め付けるものとなりがちです。信者同士であったとしても、実は、罪人同士の共同生活なのでいくつもの修羅場をくぐるでしょう。
結婚とは、神さまの不思議に満ちた二人を一つにする業です。その中に身をおき、神の御意思を問うことを学びます。自分が人生の中心にいた独身時代に別れを告げて、相手を思いやる二人三脚に入る覚悟と、転んでも起き上がる不屈の姿勢が必要です。
教会は、天国目指して共に歩む共同体ですから、あなたに「幸せな結婚をして温かい家庭を築いてほしい」との強い願いを持っています。幸せな結婚の鍵は、自らの弱さ、過ちを認め、謝罪、感謝、愛情を素直に伝えられる心。そして、相手の弱さ、過ちを知り、それをイエスが赦したように、祈ろうとする心ではないでしょうか。それが、イエスが愛した姿勢であり、教会における結婚の姿だと思われます。お二人の結婚式も、結婚そのものもこのキリストのかたちが現れること願っております。
にしおか・まりこ 東京聖書学院、タルボット神学校(結婚・家族ミニストリーの修士)卒業。日本ホーリネス教団川越のぞみ教会で夫と共に牧会。結婚カウンセリング 「プリペアー/エンリッチ」の日本推進委員。ファミリー・フォーラム・ジャ パン評議員、臨床牧会研究会・結婚カウンセリング部門担当委員、3人娘の母。