ガザのギリシャ正教会構内に爆撃か エルサレム総主教庁が「戦争犯罪」と非難声明

 正教会系の英文ニュースメディア「オーソドックス・タイムズ」は10月20日、「ガザの教会構内が空爆に襲われた」とする記事を掲載した。ギリシャ系の英文ニュースメディア「グリーク・リポーター」も同日、「ガザにあるギリシャ教聖ポルフィリオス教会が爆撃された」とする見出しの記事を掲載しつつ、「ガザ地区にある築1600年の聖ポルフィリオス・ギリシャ教会の敷地の構内にある建物がイスラエルの空爆の結果、崩壊した」と記した。

アルジャジーラは19日、同教会に対する「イスラエルの空爆で少なくとも2人が殺された」などと報じた。その後、20日には速報で、「イスラエルの攻撃で少なくとも8人が殺された」と伝えた。

一方、ギリシャ教会エルサレム総主教庁は同日、英文の公式サイトで、「エルサレム総主教庁はガザにある人道施設を標的としたイスラエルによる空爆を非難する」という見出しの声明文を発表し、「教エルサレム総主教庁は、ガザの町にある教会の構内を襲ったイスラエルの空爆について、最も強い非難を表明する」などと記した。

教会やその施設を、それらが罪のない市民、とりわけ過去13日間にわたる居住区域に対するイスラエルの空爆のために家を失った子どもたちや女性たちを保護するために提供している避難所と共に、標的にすることは、無視できない戦争犯罪であることを、当総主教庁は強調しておく」と、同総主教庁は続けた。

エルサレム教総主教庁や他の諸教会――エルサレムの聖公会病院、他の学校、そして社会福祉施設を含め――の施設や避難所を標的としていることが明白であるにも関わらず、これらの民間人の施設から避難するようにというイスラエルの継続的な要求や、この件におい教会に対して用いられている圧力のただ中で、当総主教庁は、他の諸教会と共に、欠乏のうちにある人々に対する援助や支援、そして避難場所を提供することにおいて、その宗教的及び道義的な務めを果たす責務を負い続ける」と、同総主教庁は付け加えた。

その上で、「当総主教庁は、戦時も平時も同様に必要な全てのものを提供するべく、キリスト教の価値に根ざした、その宗教的および人道的な務めを、放棄するつもりがないことを強調する」と結んだ。

世界教会協議会(WCC)は10月20日、「今回の攻撃はギリシャ教会エルサレム総主教庁によって確認されたもの」とした上で、ジェリー・ピレイ総幹事のコメントを発表。「私たちの哀悼の意とともに、私たちの祈りを、総主教セオフィロス2世およびキリストにあるギリシャ教のすべてのわが兄弟姉妹たちに対して、傷ついた全ての人たちの癒やしのためにささげます」「私たちは神聖な境内に対するこの非良心的な攻撃を非難するとともに、世界共同体に対し、病院や学校、そして礼拝所を含む、避難所の聖域のために、ガザにおける保護を実施するよう呼びかけます」と訴えている。

(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)

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