最新の米調査によると、世俗化が進む中、キリスト教徒が減少しながらも存続し、キリスト教以外の信仰が成長する未来が示されている。「レリジョン・ニュース・サービス」が報じた。
アメリカは長い間、人々が好きな宗教を選択できる国であることを自負してきた。長年、多くはキリスト教を選んできたが、2070年までに事態は変わるかもしれない。現在の傾向が続けば、キリスト教徒は人口の半分以下になり、50年後には3分の1にまで減少する可能性がある。一方、いわゆる「無宗教者」――どの宗教にも影響を受けない人々は、人口の半分近くを占めるようになるかもしれない。また、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、仏教徒など、キリスト教以外の宗教を信仰するアメリカ人の割合は、倍増する可能性がある。
これらは、ピュー・リサーチ・センターが発表したアメリカの宗教的未来に関する新しい報告書の主な内容である。研究者たちは、出生率、移住のパターン、年齢や性別などの人口統計、現在の宗教的状況など、さまざまな要素を用いて、米国の宗教的未来の可能性を予測した。また、宗教が世代から世代へとどのように受け継がれていくのか、人々がどの程度宗教を変えるのか、特に近年増加しているキリスト教徒から無宗教者への転向の頻度についても調査した。
その上で、四つの異なるシナリオを予測した。「同報告書のシナリオでは、宗教離れの程度が異なるものの、米国人口に占めるキリスト教徒の割合は減少し続ける」と報告されている。「同時に、いずれのシナリオにおいても無宗教者は増加すると予測される」
現在、ピュー・リサーチ・センターによると、キリスト教徒の約3分の1(31%)が30歳になる前に「無所属」になる。無宗教者の21%は、若年層でキリスト教徒になる。これらの転換率が安定した場合、2070年にはキリスト教徒が人口の46%を占め、非キリスト者は41%を占めることになる。
離脱率が増加し続け、キリスト教徒の離脱率が50%に制限された場合、2070年にはアメリカ人の39%がキリスト教徒であり、48%が非キリスト者として認識されると予測される。キリスト教離脱者の割合に制限がなく、離脱者が増え続ける場合、キリスト教徒は人口の35%となり、無宗教者がアメリカ人の大半(52%)を占めることになる。
もし、すべての転向が停止した場合、予測モデルによれば、キリスト教徒は依然としてわずかに多数派(54%)を占め、非キリスト者はアメリカ人の34%を占めることになる。
非キリスト者は、それぞれのシナリオで、主に移民によって人口の12~13%に上昇する。ピュー・リサーチ・センターのコンラッド・ハケット研究副部長(上級人口統計学者)は、「米国に来る移民のほとんどはキリスト教徒であるため、移民はキリスト教徒の割合に影響を与える」と述べた。「それでも、現在および将来において、米国で最も大きな変化をもたらすのは、『転向』だと考えている」
研究者たちは、この報告書にはデータと数理モデルに基づく予測が含まれており、将来を予測するものではないことを強調した。「いくつかのシナリオは他のシナリオよりも蓋然性が高いが、未来は不確実であり、2070年の米国の宗教構成が予測された範囲から外れることもあり得る」
このモデルでキリスト教徒が減少し、非キリスト者が増加した理由の一つは、年齢である。キリスト教徒は無宗教者より子どもが多いが、年齢も高い。推定では、米国の平均的なキリスト教徒は43歳で、無宗教者の平均より10歳年上である。
「無宗教者は無宗教者の子どもを産み育てているが、キリスト教徒は他者に比べて人生の終わりに近い」と、同センターの上級研究員であるステファニー・クレイマー氏は語った。
数学的モデルを用いて、ピュー・リサーチ・センターは世界中の宗教の将来も数値化した。それらのモデルは、地域ごとに適応されたとハケット氏。例えば、イスラム教徒は最も若い人口と高い出生率を持つ傾向があり、信仰の成長を牽引しているという。しかし、メキシコ湾岸諸州では、移民によって他の国から多くのキリスト教徒が一時的な労働者としてこの地域にやってきている。
今回の報告書は、米国の宗教事情について収集された膨大なデータを活用している。研究者たちはまた、初めて世代間継承を調べた、とクレイマー氏は言う。「研究に用いた変数は、母親の宗教は何か、10代の子どもたちの宗教は何かということだ。それが一致した場合、我々は母親の宗教が継承されたと考えている」
研究者らは、高齢のアメリカ人の間で比較的新しい傾向である離脱についても調べている。社会学者は長い間、宗教を変える可能性が最も高い若い人々に焦点を当ててきた。しかし、米国や他の国々では、高齢者も宗教を変える割合が増え始めている。ハケット氏は、「規模はそれほど大きくないが、それでも重要だ。私たちが経験した、そして今後数年間に経験すると予想される宗教上の変化に寄与している」
ハケット氏は、この予測は米国におけるキリスト教や宗教一般の終焉を示しているわけではなく、今後も堅調に推移すると予想している。また、ほとんどの無宗教者は、無宗教を主張しながらも「無神論者」であるとは認識していない。
クレイマー氏は、米国は他の国々で起こった世俗化のパターンを経験しているように見えるが、「我々は少し遅れているかもしれない」と加えた。
モデル以外の他の要因――例えば、移民のパターンの変化や宗教的改革――によって、米国でキリスト教のリバイバルの可能性もあるという。しかし、ピュー・リサーチ・センターの調査によると、どのモデルも2007年の78%から2020年には63%に低下したキリスト教徒の減少を逆転させることはできないとしている。
報告書の中で研究者は、「米国におけるキリスト教(あるいは宗教一般)の突然のリバイバルや漸進的な復興をモデル化するデータはない」と指摘。「ただ、それは宗教復興が不可能であることを意味するものではない。宗教復興を予測する人口学的な根拠がないことを意味しているだけなのだ」
(翻訳協力=中山信之)