教皇フランシスコは7月24日から約1週間カナダを訪問した。かつての先住民同化政策下、カトリック教会系の教育施設などで、先住民の人々が体験した苦しみに耳を傾け、自身の寄り添いを直接人々に伝えることが目的。
「バチカン・ニュース」(日本語版)によると、教皇はカナダ到着翌日の7月25日、エドモントンから70キロ南方のマスクワシスを訪れ、今回訪問の主目的である先住民の人々との出会いを開始した。
マスクワシスのエルミネスキン地区には、先住民児童対象の寄宿学校の中でも最大のものの一つ、「エルミネスキン・レジデンシャル・スクール」があった。「真理と和解のための国立センター」によれば、ここでは多くの子どもたちが、過密状態と病気を原因に亡くなったという。
教皇は、多くのキリスト教徒たちがさまざまな形で、先住民の人々を抑圧した権力者たちの植民地主義的なメンタリティーを支持したこと、中でもカトリック教会や修道会のメンバーが、無関心をも含めた態度をもって、当時の政府による文化の破壊と、寄宿学校制度を頂点とする強制的な同化政策に協力したことに対し、赦しを願った。
「たとえキリスト教的慈愛や子どもたちに対する模範的な献身があったとしても、寄宿学校政策がもたらしたものは総合的に悲惨なものであり、キリスト教信仰から見ても、イエス・キリストの福音とは相容れない破滅的な過ちだった」
「謝罪は終着点ではなく、出発点に過ぎない」「赦しを乞い、その被害を補おうとしても、それが決して十分ではないことは理解している」と語った一方、未来を見つめる時、このような状況を繰り返さないだけでなく、完全になくすことを可能とする文化を築くため、尽力することは決して無駄ではない、とも述べた。(CJC)