イギリスは6月16日、ロシアに対する新たな制裁措置を発表した。ウクライナ侵攻を支持したロシア正教会のトップと、ウクライナの子どもたちをロシアに強制移送し養子にした責任を負うとするロシアの子どもの権利委員が対象となった。「レリジョン・ニュース・サービス」が報じた。
リズ・トラス外務大臣は、ロシア正教会のトップであるキリル総主教が、ウクライナに対する戦争を正当化するために「繰り返しその地位を乱用した」と指摘。キリル氏はプーチン露大統領の長年の盟友である。
トラス氏はまた、ウクライナ東部のルハンスクとドネツク地域から2000人の弱い立場にある子どもを連れ去り、ロシアでの強制養子縁組を促したとして非難されている子どもの権利委員会マリア・リヴォバ=ベロバ氏を制裁の対象とした。
6月16日のリストには、ウクライナの町ブチャで民間人を殺害、レイプ、拷問したことで知られる旅団の4人の大佐も含まれている。トラス氏は、ウクライナでロシア軍と戦ったことで死刑判決を受けた2人の英国人について、英政府は「できる限りの措置をとっている」と述べた。
エイデン・アスリン氏とショーン・ピナー氏は先週、モロッコ人のブラヒム・サードゥーン氏とともに、自称ドネツク人民共和国の裁判所から傭兵として戦ったという理由で判決を受けたが、この2人についてはウクライナ政府と定期的に協議しているという。
「彼らはウクライナ軍と合法的に戦っていた戦争捕虜だ」とトラス氏。「ロシアがしたことは、ジュネーブ条約に完全に違反している。我々はあらゆる手段を講じている」
(翻訳協力=中山信之)