セブンスデー・アドベンチスト教会(SDA)が運営するウクライナの学校では、教師が避難民を支援し、食料や精神的なサポートを提供している。3月4日に配信された「アドベンチスト・ニュース・ネットワーク」によると、ロシアによるウクライナ侵攻の後、セブンスデー・アドベンチスト系列の教育機関は、避難所としての役割を担っているという。
指導者に向けた最近のメッセージで、ウクライナ教団教育部長のコスティアンティン・S・カンペン氏は、ウクライナにおけるアドベンチスト学校の状況について説明した。侵攻の始まった当日、24のアドベンチスト学校のうち、対面式の授業を行ったのは1校のみ。少なくとも五つのアドベンチスト学校がある市内の路上や郊外で戦闘が起こったため、残りの学校からは生徒や教職員に出席しないよう伝えられた。
「ウクライナ教育省が2週間の休みを宣言したにもかかわらず、一部のアドベンチスト学校はZoomにより授業を続けている。オンライン学習は、子どもたちの生活が戦争に関するニュースで占められてしまうことを防ぐのに役立っている。さらに、戦闘の影響を受けている都市では、校舎が砲撃から人々を守るために役立ち、戦闘地域から離れた都市では、学校が他の都市から避難してきた人々の避難所となっている」
2月26日の安息日(土曜日)には、一部の避難民が初めて安息日の礼拝に参加した。
「もし学校が机やマットレスを教室から移動させる必要があるなら、もし校長が授業の予定を組む代わりに難民のための食事を用意する必要があるなら、そしてもしチャプレンが子どもではなく、大人のための礼拝を行う必要があるなら……私たちは人々を助け、私たちの使命を果たすためにこれら一切のことを喜んで行います」とカンペン氏。
ユーロ・アジア支部教育部長のイワン・リャポロフ氏は、現在の危機について、「神は私たちの避け所。私たちを見捨てず、今も導いておられ、これからも私たちを導いてくださるだろう」と語る。
ウクライナに隣接したいくつかの国が属するトランスヨーロッパ支部によると、アドベンチストの指導者、教会員は、毎日、東の国境を越えて押し寄せる多くのウクライナ難民の支援と援助に向けて迅速に動いている。ポーランド教団がウクライナからの人々を受け入れるために家や教会を開放しているという同支部コミュニケーション部からの情報もある。
ポーランド教団は、この危機の中で避難民を支援するための特別委員会を設置。「私たちはまだ多くの課題に直面しているが、神の恵みによって乗り越えていく。今度の安息日の礼拝では、ウクライナのために祈る時間をとり、平日も祈る」とリシャルト・ヤンコフスキー総理は語る。
同じアドベンチスト教会が運営するアドラ・ハンガリーも難民を受け入れる準備が整っていると伝えられている。「地元の教会は開放されている。私たちはウクライナの国境から80キロのところにキャンプ場を持っている。収容人数は少なくとも50人。暖房、キッチン、バスルームがある」とアドラのリーダーは報告。ハンガリー教団の事務所も難民を受け入れるために開放される。
アドラ・ヨーロッパは、侵攻が始まってからわずか24時間後の2月25日に募金を開始。難民を受け入れる以外に、ウクライナ国内で活動する方法を見出した。提供する能力を強化するために、すでに増員されたスタッフが向かっている。
写真提供=セブンスデー・アドベンチスト教会ウクライナ教団