日本YWCA(藤谷佐斗子会長)は2月28日、ロシアのウクライナ侵攻に対する声明文「わたしたちはロシア軍の即時撤退と対話による解決を強く求めます」を発表した。
声明は、アジア・太平洋戦争時、「隣国を威嚇することで平和をつくりだせる」という流れに逆らえず、侵略戦争への道を突き進んだ歴史を省み、「同じ過ちを繰り返さないという決意のもとに、『『核』否定の思想に立つ』ということを重要な活動指針の一つ」としてきた団体として、プーチン大統領による「核兵器を使用する」との威嚇に強く抗議。
「ひろしまを考える旅」を50年間続け、核兵器の被害と加害国としての責任を学んできた経験から、核兵器の使用、民間人への攻撃、ましてや武器を持たない子どもたちに対する攻撃を「残虐な行為」と非難した上で、ウクライナとの連帯を表明し、ロシア軍の即時撤退と対話による解決を求めた。
声明の全文は以下の通り。
わたしたちはロシア軍の即時撤退と対話による解決を強く求めます
~ロシアのウクライナ侵攻に対する日本YWCA声明文~
日本YWCA会長 藤谷佐斗子
総幹事 尾﨑裕美子
日本YWCAはロシアによるウクライナへの侵攻と、プーチン大統領による「核兵器を使用する」との威嚇に対して、強く抗議します。
わたしたち日本YWCAはアジア・太平洋戦争時、「隣国を威嚇することで平和をつくりだせる」という流れに逆らえず、侵略戦争への道を突き進みました。戦後、その歴史を深く省み、同じ過ちを繰り返さないという決意のもとに、「『核』否定の思想に立つ」ということを重要な活動指針の一つとしてきました。
プーチン大統領は「ロシアは世界で最も強力な核大国の1つだ」と発言しました。それに対し、広島の被ばく者は「核を脅しの道具にすること自体が許せない」と憤っています(2022年2月26日朝日新聞)。わたしたちは「ひろしまを考える旅」を50年の間重ね、核兵器の被害と加害国としての責任を学んできました。その中で語られた「核兵器は、人類が人類に対して犯した最大の罪である」との被ばく者の言葉を深く受け止めています。核兵器の使用は決して許されてはなりません。
ロシア軍によるウクライナ国内の幼稚園や子どもの施設への爆撃も報道されています。このような民間人への攻撃、ましてや武器を持たない子どもたちに対する攻撃は残虐な行為です。
ロシアは明確に、国際法にも国連憲章にも違反する道をあえて選び取りました。わたしたち日本YWCAは、武力によらない平和をつくりだすために世界100カ国以上の仲間とともに活動しています。世界中の人々が求めているのは、戦争ではなく、平和です。相手を攻撃し敵をつくりだすことではなく、対話により理解を深めようと努めることこそが、問題解決への道であると確信します。
わたしたちはウクライナYWCAの仲間たち、ウクライナの人々と連帯します。
わたしたちはロシア軍の即時撤退と対話による解決を強く求めます。
公益財団法人日本YWCA