49年ぶりにスクリーン初登場! アレサ・フランクリン 幻の教会コンサート「アメージング・グレイス」5月28日公開

2018©️Amazing Grace Movie LLC

その圧倒的な歌声で「クイーン・オブ・ソウル」、あるいは「レディ・ソウル」の異名を持つアレサ・フランクリン。1972年に教会で行われた幻のコンサートフィルムが、49年の時を経て、スクリーンに初登場する。

「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」の邦題で、5月28日から公開される本作は、1972年1月13〜14日にロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行われたライブを収めたもの。「愛と哀しみの果て(Out of Africa)」 (1985年)でアカデミー賞を受賞した若き日のシドニー・ポラックが監督を務めている。

コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、バーナード・パーディー(ドラム)らに加え、サザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊をバックに、アレサが自らのルーツであるゴスペルを感動的に歌い上げるこのライブは、アルバム「AMAZING GRACE(邦題:至上の愛〜チャーチ・コンサート〜)」として発売され、300万枚以上の販売を記録し大ヒット。史上最高のゴスペル・アルバムとして今もなお輝き続けている。

当時は、アルバム発売の翌年にドキュメンタリー映画として公開される予定だったが、カットの始めと終わりのカチンコがなかったために音と映像をシンクロさせることができないというトラブルに見舞われ、未完のまま頓挫することに。しかし長年の月日を経て、テクノロジーの発展が後押しし、遂に映画が完成。音楽史を塗り替えたといわれる幻のライブを大きなスクリーンで鑑賞できる貴重な機会となる。

本作は、アレサのライブ・パフォーマンスのみで構成されるシンプルな作品ながら、音楽の天才として生まれたアレサの歌声に酔いしれるだけでなく、人間ドラマとしても楽しめる極上のライブ・ドキュメンタリーに仕上がっている。

2018©️Amazing Grace Movie LLC

アレサの力強い歌声に、天を仰ぐ者、身震いする者、そして涙ぐむ者など、その場にいる誰もが感動し、熱気に沸くようすが手に取るように伝わってくる。さらに、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーや、アレサに多大なる影響を与えたと言われるゴスペルシンガーのクララ・ウォード、アレサの父で米国バプテスト派牧師のC・L・フランクリンなど、この日のライブに集まった豪華な顔ぶれに興奮を抑えきれない。こんな映像が40年以上も眠っていたとは驚きだ。

ライブ2日目には、進行役のジェームズ・クリーブランド牧師に指名され、C・L・フランクリンが指名されて登壇。前日にアレサから電話があって、いても立ってもいられなくなりライブ会場に飛んできたという「親バカ」ぶりを披露。そして、汗だくになってピアノ弾き語りをするアレサの顔をタオルで拭いてあげるのだが、拭かれるままのアレサは「ソウルの女王」ではなく、まるで小さな子どものようで、その場面を見ると幸せな気持ちになる。

ところで、日本でもゴスペル人気は周知のとおりだが、本作でも分かるようにゴスペルには神への強い信仰が込められている。その源流は奴隷時代に生まれた黒人霊歌で、聖書からきたものだ。奴隷としてアメリカに運ばれてきた黒人たちが、どうしてキリスト教を信じるようになったのだろうか? ビサイドチャーチ東京の波多康(はた・やすし)牧師は、その理由としてイエス・キリストへの共鳴を挙げている。

神であり、神のひとり子であるイエス・キリストは、馬小屋で生まれ、死ぬときには唾をかけられ、そして木にかけられた。そのプロセスが、奴隷となった自分たちに共鳴し、この神ならば、自分の痛みを知ってくれるだろう、この神ならば、同じ視線で共に歩んでくれるだろうと熱烈な信仰を持つようになっていったのだという。

アレサも、信仰を持っていてとても嬉しいと歌う。担いきれない痛みはイエスに全て委ねようと訴える。ゴスペルで大切なのは、誰に対して歌うかなのだということを思い知らされる90分だ。熱狂の中、ライブを締めくくる言葉も信仰の人そのもの。

ありがとう。おやすみなさい。神は祝福し共にいます。

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン
2018年製作/90分/G/アメリカ
原題:Amazing Grace
配給:ギャガ
5月28日からBunkamuraル・シネマほか 全国順次ロードショー

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