ベネディクト16世が独ミュンヘン教区での虐待報告書めぐり書簡

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名誉教皇ベネディクト16世は、ドイツのミュンヘン・フライジング大司教区における聖職者たちによる未成年者虐待問題への歴代大司教の管理対応をめぐる報告書を受け、羞恥と苦しみを表すと共に誠実に赦しを願う書簡を発表した。報告書には、戦後から現代までの同教区の歴代大司教たちの同問題への管理対応がまとめられている。「バチカン・ニュース」が2月8日報じた。

かつて約5年にわたりミュンヘン・フライジング大司教区の大司教を務めた名誉教皇ベネディクト16世は、この報告書を受け、同大司教区の信者たちに宛て自ら書簡を発表した。名誉教皇は悔悛の念に満ちたこの書簡を通し、ご自身の思いを「告解」しつつ、「自分が役職にあった特定の場所、時代において明らかになった虐待事件と過ちに対する苦しみ」を表明した。

ベネディクト16世は、聖職者たちによる虐待の被害者らと面会し、対話した時のことを思い起こし、「多くの司牧訪問時をはじめ、聖職者による虐待の被害者の方々とのすべての面会において、私は一つの重大な罪がもたらす結果を目の当たりにすることになった。そして、私たち自身も、しばしば起こりうるように、成り行きにまかせ、それをおろそかにしたり、必要な決断と責任をもって対応しない時に、この重大な罪に引き込まれることを学んだ」と書いている。

そして、「これらの面会でそうであったように、性的虐待のすべての被害者の方々に対し、私は改めて深く恥じ入ると共に、大きな悲しみを表明し、誠実に赦しを乞うことしかできない。私はカトリック教会において大きな責任を負っていた。自分が役職にあった特定の場所、時代において明らかになった虐待事件と過ちを前に、その苦しみはさらに深いものである。一つひとつの性的虐待事件は恐ろしいものであり、もとには戻らないものである。性的虐待の被害者の方々の苦しみに心から寄り添いたいと思うと共に、その一つひとつの件のために後悔している」と述べている。

ベネディクト16世は、書簡の終わりに次のように記している。「もうすぐ私は人生の最後の審判の前に立つことになるだろう。私の長い人生を振り返る時、恐れを抱くような理由がもしたくさんあったとしても、私の魂は喜びのうちにあるだろう。それは、主に固く信頼しているためである。主は正しい裁判官であるだけでなく、同時に友、また兄弟であり、私の足りなさのためにすでにご自身が苦しまれた。主は私の裁判官であると同時に、弁護者(パラクリトス)である。裁きの時を前に、キリスト者であることの恵みをこれほどまでにはっきりと感じる。キリスト者であることは、私に自覚と、それ以上に、私の裁判官である方との友情を与え、死の暗い扉を信頼をもってくぐることを認めてくれるのである」。(CJC)

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