イエスとは誰か
わたしはあなたがたを遣わす。それは狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。 マタイ10章16節(参考聖書箇所同書10章16〜25節)
福音宣教のために弟子たちが遣わされる世界は、羊が狼の群れの中に入って行くようなものだと例えられたのです。最悪の場合、食い殺されて死ぬかもしれないということでもあります。 福音宣教は、否定や拒絶の世界を相手にするわざであります。もともと神はこの世界に御子を遣わすにあたって、彼は受け入れられないことはご存知の上でありました。弟子たちは、その受け入れられない御子の福音を伝えるため、この世界を相手にするのですから人々から歓迎されないのは当然、攻撃されること当たり前ということです。伝道とはそういうものだということであります。イエスは、伝道には当たり前のようについて回ることを弟子たちに伝えておいでになるのです。逆に言えば、福音を宣べ伝えて、大歓迎を受けたなどといったことがあれば、伝道をしていないのかもしれません。つまり狼のところに行かなかったということです。 この事態に対処するには「蛇のように賢く、鳩のように素直になりまさい」とイエスは言われます。伝道者には要領良く立ち回る知恵がいるというより、事に逆らわず、自由にしなやかさに振る舞う態度が必要なのだと教えておいでになるのです。