教派を超えて受け入れられるキリスト教信仰の核心
〈評者〉小島誠志
数多くあるキリスト教入門書の一つと言ってもいいでしょうね。原題を翻訳するとこうなります。「わたしたちの信仰を知ること」。副題は、「信じている人々、求めている人々、キリスト教共同体の人々のための道しるべ」(Knowing our Faith: A Guide for Believers, Seekers, Christian Communities)。
キリスト教の教理について書かれているのですが、展開の仕方がちょっと違います。いや、だいぶ違っています。
序章に「信仰を理解する」という文字通り序章があり、この書物全体の方向性が示唆されています。
多くの入門書は使徒信条の告白に従って、「神について」「イエス・キリストについて」「聖霊について」それぞれの主要な項目について諄諄と説かれます。この本も序章のあと「啓示」「三位一体の創造主なる神」「人間」「贖罪─イエス・キリストの新しい創造」等、型通りと言えば型通りに展開していくのですがその展開の仕方が違うのです。序章で述べられていることが通奏低音としてどの章にも響き渡っているのです。
フスト・ゴンサレス 著/神代真砂実、髙野佳男 訳 21世紀のキリスト教入門(小島誠志)【本のひろば.com】の続きを「本のひろば」で見る