「クマが出たらどうしよう」と心配してもクマは出る【聖書からよもやま話422】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は  新約聖書、 ヨハネの手紙第一の5章です。よろしくどうぞ。

ヨハネの手紙第一 5章7節

あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

生きていると、心配事って尽きませんよね。お金のこと、健康のこと、人間関係のこと、僕たちは様々なことを心配しながら生きています。しかし、「世界三大幸福論」の一人であるヒルティはこんなことを言いました。「心配というのは役に立たない。なぜならいくら心配したところで、それ自体はその心配の対象となる脅威を避けるのに何も寄与しないからだ」と。

たしかにお金の心配をいくらしたってお金が入ってくることはありません。健康の心配をいくらしたって健康になることはありません。むしろ不健康になってしまうかもしれません。山でクマに遭遇したらどうしよう?と心配したところで、心配するだけではクマに会う確率は少しも下がりません。

人間の心配の大半は「自分の力ではどうにもならないこと」に対する心配なんです。自分の力でどうにもならないからこそ、心配するしかないんです。自分の力でどうにかなるなら、心配せずに自分の力でどうにかすればいいんですから。健康が心配なら食事に気をつけたり良い睡眠をとったりすることで、病気になる可能性を下げることはできます。しかしそれでもやっぱり病気になってしまうことはあります。その「どうにもならなさ」に人は心配するんです。

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UnsplashHans-Jurgen Magerが撮影した写真

だから聖書は「心配は自分でせずに、神様にしてもらいなさい」とすすめています。これはつまり「どうにもならないことは自分で抱え込まずに、神様に投げてしまいなさい」ということです。「祈るしかない」というのは世では多くの場合、絶望的な状況を示すような言葉ですが、それは祈りを過小評価しすぎです。祈るというのはその心配事を神様に投げる、神様に任せるということですから、そこに大きな力があります。「祈れる」というのはすごいことなんです。だって地球上の生物のうち、祈ることができるのは人間だけですよ。祈りは人間だけに与えられた特権なんです。動物は「自分の力でどうにもならないこと」はどうすることもできませんが、人間はそれを祈ることで乗り越えられるんです。

「宝くじがあたるように毎回祈ってるけど当たりやしないじゃないか!」なんて言う方もいるかもしれません。しかし僕は「祈れば当たる」なんて言っていません。「当たる・当たらない」の責任を神様にみんなお任せしてしまえば、自分の心がまず楽になるでしょう?と、そういうことを言っています。言い換えれば、自分で負えない責任まで、自分で負おうとしてはいけないぞ、と言っています。

人間は「自分の力ではどうにもならないこと」の責任まで自分で背負い込もうとしてしまうものです。そしてそれが人間の不幸の一つの源です。余計な重荷を背負い続けているんです。その余計な重荷は神様に預けてしまえばいいんです。その方がいいんです。

心配は自分で抱えずに、神様にアウトソーシングしてしまえばいいんです。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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