田淵諭退職記念展「光と祈りの建築」多摩美で開催中 教会建築は神自らがお応えくださる「神のみわざ」

教会建築の展覧会「光と祈りの建築」(主催:多摩美術大学環境デザイン学科研究室)が、多摩美術大学八王子キャンパスにあるアートテーク・ギャラリー(東京都八王子市)で開催されている。これは、建築家・田淵諭(たぶち・さとし)氏が長年教職に携わってきた多摩美術大学退職を記念して開かれたもので、「大岡山建築設計研究所」が設計・監理して建設された約30の教会、ならびに産学共同で設計した教会や教会コンペ案等を、写真・図面・スケッチ・模型等で紹介する。11月30日(水)まで。

大森めぐみ教会(写真提供:多摩美術大学 環境デザイン学科研究室)

田淵氏は、1952年東京生まれ。 多摩美術大学建築科卒業。(株)日建設計を経て85年〜多摩美術大学建築家非常勤講師・助教授を歴任。2002年〜環境デザイン学科教授として現在に至る。大学での教育・研究に並行して1993年〜現在まで多摩美キャンパス設計に関わる。一方建築実践の場として建築デザインアトリエ「大岡山建築設計研究所」を主宰し、光をテーマとした教会建築を中心に設計を数多く手掛け、実作は全国各地に及ぶ。日本建築協会登録建築家、日本建築学会会長。日本基督教団小金井教会長老。

田園調布教会の内部(写真提供:多摩美術大学 環境デザイン学科研究室)

主な作品に「中渋谷教会」「大森めぐみ教会」「直島キリスト教会」「九段教会」「大森めぐみ教会」「大宮教会」「田園調布教会」「小金井教会」「直島キリスト教会」。著書には、「教会堂建築」(新教出版社) 「キリスト教礼拝・礼拝学事典」(共著/日本キリスト教団出版局) 「島の小さな教会」(新教出版社)などがある。

直島キリスト教会(写真提供:多摩美術大学 環境デザイン学科研究室)

同展では、通常ではなかなか見ることができない各教会のコンペ提案書をはじめ、考え方の流れを表現した検討過程のスケッチや全教会の礼拝堂50分の1模型等を展示。田淵氏の設計に至る思考をたどりながら、教会建築の空間と光の魅力を感じることができる。教会建築に興味を持つ人だけでなく、これから教会建築を検討している教会の人たちにとっても参考になる展覧会となっている。

ジュビリー教会のスケッチ(写真提供:多摩美術大学 環境デザイン学科研究室)

田淵氏は、教会建築において大切なことは、自分たちが建築しようとしているのは「キリストのからだなのだ」という自覚だと話す。さらに、教会建築は祈りのわざであり、求道のわざでもあり、そして神自らがお応えくださる「神のみわざ」であるという。また。テーマである「光」については次のように伝えている。

聖日の礼拝は、朝の陽射しに始まり説教と賛美で主の栄光を讃えます。昼の陽射しに抱かれながら祈り、ある時は陽射しに肩をたたかれ、この一週間の船出をします。 聖日、人々は教会にやってくるのではなく教会に帰って来ます。そうして、教会で神を賛美し、主を讃え、祝福を受け、各々の働きの場へ、家庭へと戻っていくのです。 そのようなおよそ一時間の礼拝を、神が我々何人にも同等にお与えくださった光を中心に、礼拝に集中できる礼拝空間を設計したいと思っています。

今回の展覧会は、39年にわたり講義、演習、実技をとおして学生の指導に携わってきた教育者としての集大成でもある。田淵氏は、多摩美大での学生たちとの時間は、アトリエでの仕事やキャンパス設計の刺激になり、その刺激を学生指導に還元していくという、指導・研究・創造の循環が日常となっていたことを振り返る。そして、同展について田淵氏は次のような願いを込める。

2年間におよぶコロナ禍を経て、礼拝のあり方にも変化が見られ、今後の教会建築の在り方も問われる中、この展覧会が、少しでも日本の教会建築の夢と活気のお役に立てたらと願っています。

開館時間は、午前10時〜午後5時。休館日は11月19日(土)・20日(日)・27日(日)。会場は、多摩美術大学アートテークギャラリー1階(東京都八王子市鑓水2−1723)。詳細・問合せは、多摩美術大学環境デザイン学科研究室(Eメール=kankyou@tamabi.ac.jp、℡042-679-5626 )まで。

 

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