10月11日「わたしは神を信じています」

皆さん、元気を出しなさい。わたしは神を信じています。わたしに告げられたことは、そのとおりになります。(使徒言行録27章25節)

皇帝に直訴したパウロは、ローマに護送されることになった。途中、ミラの港でイタアに行く船に乗り換えた。276人も乗せた大きな船であったが、冬に向かう季節の海路は危険であった。風に行く手を阻まれながら、ようやく「良い港」と呼ばれる所に着いたパウロは何回もこの海を渡った経験から、港で冬を過ごすことを提案したが、南風が吹いてきたので、人々は「望みどおりに事が運ぶと考えて」(13節)、船を出した。間もなく、暴風に会い、船は激しい波風に流され、「ついに助かる望みは全く消えうせようとしていた」(20節)。今日の聖句は、そのような時に語ったパウロの言葉である。「元気を出しなさい」と語った理由は、昨夜、パウロが天使の言葉を聞いて信じたからであるローマに行くことは、パウロの長年の祈りであった。彼の望みは、ローマの信徒たちと会い、彼らに送り出されて地の果てイスパニアまで福を伝えることであった。しかし、嵐に翻弄(ほんろう)される船の上で、彼の望みは断ち切られようとしていたその夜、彼は神に祈り、天使の言葉を聞いて信じ、希望と勇気が与えられたのである。私たちは職場で、家庭で、教会で、嵐に見舞われ、望みが断ち切られそうな経験をするその時、心を天に向けるならば、天使が聖書の言葉を思い起こさせるその言葉を神が語りかける葉と信じる時、失望が希望に変えられる。この経験によって、私たちはみを失っている人々に神の言葉を語ることができる。聖書を読んで、すぐに神の語りかけを聞くことがなくても、日頃から聖書に親しむことの大切さがここにある

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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