10月10日「神からの助けをいただいて」

私は神からの助けを今日までいただいて、固く立ち、小さな者にも大きな者にも証しをしてきましたが、預言者たちやモーセが必ず起こると語ったこと以外には、何一つ述べていません。(使徒言行録26章22節)

パウロはローマの囚人となったが、弁明の場を与えられて、何度もキリストの福音を語った。その説教が22章から26章に記されているが、内容はほとんど同じである

まず、パウロはキリキア州のタルソスで生まれたユダヤ人で、エルサレムで育ち、ガマリエルのもとで律法について厳しい教育を受け、熱心に神に仕えたかつての自分について語り、聞いている人々と同じであると言う(5節)。 次に、パウロは回心(かいしん)の出来事を語る。すなわち、復活の主イエスの顕現(けんげん)によって、律法を厳しく守り、熱心に神に仕えていた人生を転換させられた証しを語る(16節) 。そして、神が死んだ主イエスを復活させたのは、人々がイエスを信じて罪の赦(ゆる)しを得、神に立ち返り、神の恵みにあずかるためであると、キリストの福音を語る(18節)。 主イエスは神が約束されたメシアであり、主は「苦しみを受け、また、死者の中から最初に復活して」(23節)、今は、全世界の人々に救いの光を語り告げるイエスの復活は、私たちが復活することと、神の裁きの前に立つことの確証である(24・15)

主イエスの苦難と復活による神の救いは、旧約の預言者たちが語ったことで、パウロ自身もそのこと以外に語っていないと、今日の聖句で語るキリストの福音を語ることは、聖の証に即して語ることであると再確認させられる葉である私たちは信徒であれ、牧師であれ、神によって救われた自分の証しと共に、キリストの福音を聖書の証言に即して語れるようにしたい。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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