4年ぶりの対面開催 Tokyo World Food Day+Gospe 2024、全ての人に生きることの希望を

「Tokyo World Food Day+Gospe 2024」が13日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開催された。これは、ハンガーゼロで親善大使を務めるゴスペル・アーティストのの白鞘慧海さんが代表を務める社会支援団体「Everlasting LOVE Project(えばらぶ)」とハンガーゼロの共催で、国連が定めた世界食料デーに合わせて毎年開催されているゴスペルチャリティーイベント。会場のチャペルには80人が集まり、パワフルで心あたたまるゴスペル音楽を楽しんだ。

4年ぶりの対面コンサートとなったTokyo World Food Day+Gospe =1月13日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で。

2017年にスタートした同イベントは、今回で7回を数える。コロナ禍ではオンライン配信でつなぎ、今年は4年ぶりに対面での開催となった。プログラムは3部構成で行われ、白鞘さんのミニライブ、ハンガーゼロスタッフによる講演、そしてゴスペルコーナーへと続いた。

ミニライブに登壇した白鞘さんは、1日に起きた能登半島地震のことにも触れながら、自分たちにできることを考えながら演奏したいと話し、1曲目に「Amazing Grace」にオリジナル部分を織り込んだ「Amazing Grace 〜I Believe〜」を披露した。2曲目は、白鞘さんがクリスチャンになって初めて作った曲「TSUBASA つばさ」で、バラード調のこの歌は、神さまの愛を知る中で生まれたという。

白鞘慧海さん

3曲目は「BLOSSOM」。東日本大震災で被災地に行った後に作られた曲で、そこには津波で一緒に逃げていた祖母が、途中で自分だけを先に行かせ、津波が迫る中祖母をおいて逃げるしかなったという女子高生の体験がもとになっている。その女子高生は、犠牲になった祖母のことを思うと自分だけが助かってよかったのかとずっと問い続けていた。白鞘さんは、そんな女子高生の気持ちに寄り添いながらも、その時の祖母の気持ちをこの歌に込めたことを明かし、次のように話した。

私たちの人生は、誰かしらの犠牲の上に成り立っているのではないかと思わされました。その犠牲の愛を、「ごめんなさい」「申し訳ない」と悔やむのではなく、その愛を「ありがとう」と受け取り、そのいただいた愛を生きることが、犠牲になってくださった方々への愛に報いることではないかと思いこの曲を作りました。自分には大したことはできないと考えてしまうが、それでも一歩一歩進むことで何かが変わっていくのではないか、そういう気持ちも込めています。

未知の道を切り開いて進んでいこうと優しく訴える楽曲「KEEP MOVIN’ ON」でミニライブが締めくくられた後、ハンガーゼロ巡回牧師の田村治郎さんによる講演が行われた。

田村治郎さん

田村さんは、8億2800万人という世界の飢餓人口を数字で明らかにし、この数字が示すのは大きな数ではなく、1つ1つの尊い命であることを訴えた。「こんな貧しい国に生まれたのだから、仕方ないね」という考えを捨て去ることを呼びかけ、豊かさの中で与えられているものを「どうぞ」と分かち合うことができれば、多くの人が幸せに生き続けることができると力を込めた。

また、ハンガーゼロでは、「人を変える」という方法で飢餓の現実を解決しようとしていることを明かした。「貧しさを鏡にせず、神さまを鏡とする。すでに神さまから与えられている資源や能力を見出していく時、人は変わっていきます」と田村さん。コンゴ民主共和などの村やコミュニティに直接スタッフを送り、共に生活し、生きることをとおして「私にはこれを用いて生きることができる」という希望を見出せるよう活動していることを伝え、こう結んだ。

支援の根っこにあるのは、「私たちは神と共にある」ことと、全ての人が『生まれてきてよかった、生きていてよかった』と思いながら生きられることへの願いです。皆さんの耳には世界で苦しんでいる人たちのうめきが届いていると思います。他人ごとではなくて、自分ごととしてして手を差し出せる善き隣人として生きる、その道を選んでください。

後半では、白鞘さんが世界食料デーのために作った「ぼくらの世界」を、夫である谷口卓嗣さん(上野芝キリスト教会主任牧師)のピアノ伴奏で披露した。そして、昨年3月に、ハンガーゼロ親善大使として訪問したフィリピンのマニラとミンドロ島の様子がビデオで映し出された後、ゴスペル・コーナーとなった。

会場には音楽やゴスペルを愛する様々な人が集まった。

クロスゴスペル スペシャルクワイヤと白鞘さん、ゴスペル・シンガーのChirs(クリス)さんらも加わり、盛大にゴスペル・タイムが繰り広げられた。「あなたは素晴らしい」から始まりラストは「R・H・Y」。Raise Your Hand(手をあげて歌おう)の頭文字をとったこの曲では、会場も全員が立ち上がり、声を合わせ、その力強い歌声が会場に響きわたった。

この日はノンクリスチャンの参加者も多く、その中の一人である20代の女性は、「食料問題について考えさせられました。これまでゴスペルを聞いたことがなかったが、パワフルで驚いた。歌詞にも深い意味があってとても感動しました」と感想を語った。

 






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