悩みがなくても教会に行っていい? 村上純子 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

Q.悩みや苦しみが何もないような私でも、教会の礼拝に参加してよいのでしょうか?(30代・女性)

「苦しい時の神頼み」という日本のことわざがあります。もしかしたら、あなたにはこの言葉のように、教会に対して「何か問題を抱えていたり、苦しい時に助けてもらいたくて行く場所」というイメージをお持ちなのかもしれません。

また、日本人には、「神社仏閣へ行くのは、冠婚葬祭と願い事をする時」という感覚もありますから、「願い事が特にないのに行ってもいいのかな」と思われているのかもしれません。

あるいは、「教会には、悩みや苦しみを抱えている人が多くいるのだから、特に問題のない自分が行ったら場違いなのではないか、あるいは申し訳ない」とお考えなのかもしれませんね。

今、あなたに悩みや苦しみがないということは、本当にすばらしいことです。そして、あなたが教会の礼拝に参加してみたいという気持ちになったことを、とてもうれしく思います。

確かに、自分の人生で行きづまりを感じたり、危機的な状況に陥ったり、自分の力ではどうにもならないと感じて、初めて教会を訪れるという人は大勢います。でもそれは、きっかけに過ぎません。教会に来るきっかけは、人それぞれでよいのです。「教会ってどんなところなんだろう」「礼拝って何するんだろう」「ちょっと行ってみたいな」など、興味本位で教会に足を運ぶことも大歓迎です。

もし「なぜ教会にいらしたのですか?」と聞かれたら、「教会がどんなところか知りたくて来ました」などと答えればよいのです。心配ならば、教会に行ってみる前に一度お電話なさってみたらいかがですか? お名前を名乗らなくても、あなたの疑問にどなたかが答えてくださるはずです。

教会には「問題を抱えている人」もたくさんいますが、同じくらい「特に問題を抱えてない人」もいます。いろんな人がいて、でも一緒に礼拝をしています。教会に行くというと、なんだか構えてしまうかもしれませんが、「百聞は一見にしかず」、軽い気持ちで一度のぞいてみてください。

 むらかみ・じゅんこ 慶応義塾大学文学部人間関係学科心理学専攻卒業。アメリカ・ホイートン大学大学院臨床心理学科修士課程、聖学院大学アメリカ・ヨーロッパ文化学科博士課程修了(学術博士)。中学校、高校のスクールカウンセラーを経て、現在、聖学院大学心理福祉学部心理福祉学科教授。公認心理師・臨床心理士。カウンセリングオフィスお茶の水にて心理相談も行う。

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