感謝できない… 平山正実 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

Q.日々感謝できない現実に苦しんでいます。どうしたら心から感謝できるようになりますか?(60代・女性)

クリスチャンでも、感情的には感謝できない現実に直面することは、よくあることです。このような時、私たちの信仰が試されます。

感謝できない現実を、感謝する心に代えるためには、大別すると三つの方法が考えられます。

第一は、自分と神さまとの関係を再点検することです。まず、自分の経験や信条、願望、思惑を、神さまのご計画より優先しているかどうか、心の中を探ってみる必要があると思います。そして、もし、神さまの思いを退けて、自分の考えをゴリ押ししようとする思いにとらわれているならば、困難な現実を感謝して受け入れることはできないでしょう。

他方、たとえ現実はどうであろうと、神さまが人間の思いを超えて最終的には、祝福してくださるという謙虚な姿勢を貫くならば、困難な状況を乗り越えられるのではないでしょうか。

第二は、他者との関係を吟味することです。人間関係の中で感謝できないような現実に直面した時、一度あなたと相手との間に心理的距離を置き、友のために祈るゆとりを持つことが、大切です(ヨブ記42章10節)。相手とあまり密着しすぎ、感情的に巻き込まれたり、敵意を持ち、疎遠になりすぎたりすると現実を受け入れることが困難になります。

第三は、自分との関係を洞察し反省することです。自分の心が、優越感と劣等感に揺れている時、感謝する心は起こってこないものです。なぜなら、このような感情の根底には、万能感が隠されているからです。こうした心の在り方に気づき、素直になれない自分の心の弱さや限界性を認め、神さまの前に、心を開き、へりくだった心になる時、たとえ困難な現実に直面しても、感謝する心が生れてくると思います。

ひらやま・まさみ 1938年、東京生まれ。横浜市立大学医学部卒業。東洋英和女学院大学教員を経て、聖学院大学子ども心理学科、同大大学院教授、医療法人財団シロアム会北千住旭クリニック理事長・院長、NPO法人「グリーフ・ケア サポート・プラザ」(自死遺族支援)特別顧問を歴任。精神保健指定医。著書に『精神科医からみた聖書の人間像』(教文館)、共著に『イノチを支える-癒しと救いを求めて』(キリスト新聞社)など。2013年、75歳で逝去。

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