日本YWCA SNSで発信続けるウクライナYWCAからの報告を共有 「爆発音」に怯える日々

 日本YWCA(藤谷佐斗子会長)は、戦火のもとウクライナYWCAの女性らが置かれた厳しい境遇をSNSを介して発信し続けている。その報告によると、ハリコフからヴォルノヴァハ、マリウポリからケルソンまでの都市が爆撃の深刻な影響を受け、350万人以上のウクライナ人が難民となり、650万人が国内避難民となった。国連は3月22日、民間人の死者925人、負傷者1500人と発表したが、実際にその数はさらに上回る可能性があるという。

 ウクライナYWCA会長のナターリヤ・ウリアネッツさんは、ロシア軍の侵攻から1カ月を経た3月25日、「この4週間は、私たち女性、つまり母親、妻、姉妹にとって、恐ろしい現実となりました」と記す。

 「私たち女性は日々を生き続けています。皆さんには、落胆や恐怖に陥ることなく、ここは戦争があるべき場所ではないということを示すようお願いします。キーウ(キエフ)に残った私たちにはとても難しいことですが、爆撃されたマリウポリ、破壊され燃えたキーウ近郊の小さな町、ブチャ、イルペン、ゴレンカにいる人たちとは毎日精神的につながっています。主が私たち全員を守ってくださいますように」

 ナターリヤさんは最近、最愛の夫が戦死したという25歳女性の胸に突き刺さるような書き込みを見て心を痛めた。自身もその2日前には、息子が郵便局に並んでいる時に銃撃に遭遇し、幸い怪我はなかったものの、「この日のことは決して忘れません」と述懐している。

 同じくウクライナYWCAのオクサナ・Kさんが4月4日深夜に書いた記事によると、まだ静かな夜空の下で爆発音が響いているという。

 「今日、買い物に行くためにアパートを出たら、隣人が下から階段を上がってきました。私は最初、彼女のことが見えなかったので、突然目の前に現れた時、私は怖くて叫びました。アンナ――それがその隣人の名前です――彼女は謝り始めました。私は、彼女は悪くないと言いました。階段を下りている時、私は十分な空気を吸えていないことに気づきました。そして、息苦しくなりました。『過呼吸はもう治まるから』と自分に言い聞かせました」

 「どこかでドアが大きく閉まったり、車が騒がしく通ったり、何か別の音がすると、私は緊張に襲われ……また何かが爆発しているような気がします。あらゆる音やざわめきに耳を澄ませます。そして、侵略者が私たちの土地からきっぱりと去ってくれるよう、神に祈ります。この恐怖から立ち直るのに、どれだけの時間がかかるか私は分かりません。しかし、私はある言葉をいつも頭の中に置いています。『最初に心が折れたのは、すべてがすぐに終わると信じていた人たちだった。そして次に、いつまでも終わらないと思い込んだた人たちが。次に何が起こるかと期待や心配をせずに、日々の生活だけに集中した人たちが生き残ったのである』(ヴィクトール・フランクル*)」

 日本YWCAでは、ウクライナ支援のための募金を呼びかけている。詳細は以下。https://www.ywca.or.jp/news/2022/0318news

*ナチスの収容所から生還したユダヤ系オーストリア人の心理療法家・精神科医。

(翻訳・写真・出典=公益財団法人日本YWCA)

【ウクライナ侵攻】  日本YWCAが声明 「核兵器は人類が犯した最大の罪」 2022年3月2日

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