キリスト教社会福祉学会 本田哲郎神父らがオンラインで鼎談

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コロナ禍で延期されていた日本キリスト教社会福祉学会(木原活信会長)の第61回大会が6月26日、オンラインで開催された。神学者、福祉研究者、教職者、ソーシャルワーカー、実践家などが登壇し、「危機の中にあるキリスト教社会福祉――この時代の新たな使命と希望」をテーマに、コロナ禍における教会や福祉の実践をめぐる課題などを共有した。

まずは本田哲郎(フランシスコ会司祭、釜ヶ崎反失業連絡会共同代表)、中道基夫(関西学院大学神学部教授)、木原活信(同志社大学社会学部教授)の3氏が鼎談。直面する諸課題について、「潜在的にあった問題がコロナ禍を機に浮き彫りになっただけ」とした中道氏は、「本来のミッションが何かを共有できなければ、キリスト教社会福祉の意義が失われていくのではないか」と危惧し、キリスト教社会事業の中で語られる「愛と奉仕の精神」が、「精神」だけに留まってしまうこと、キリスト教の発する言葉が「信仰の話」に留まってしまうことへの違和感を示した上で、現実としてキリスト教をとらえるための「臨床神学」を模索する作業の必要性を説いた。

本田氏は、「宗教としての位置付けに固執するのではなく、もっと人が人として人を大事にすることこそがキリストの心ではないか」と問いかけた。

野村武夫氏(京都YMCA学園理事長)がコーディネーターを務めたシンポジウムでは、藤井理恵(淀川キリスト教病院チャプレン)、平田義(イエス団愛隣デイサービスセンター所長)、松浦・デ・ビスカルド篤子(カトリック大阪司教区社会活動センター・シナピス課長)の3氏が「危機の中にあるキリスト教社会福祉」をテーマに討論。

続くパネルディスカッションでは李善惠氏(関西学院大学人間福祉学部教授)がコーディネーターを務め、松谷信司(本紙編集長)、太田直宏(YMCAせとうち総主事)、飛田雄一(神戸学生青年センター理事長)の3氏が、「時代に対応したキリスト教社会福祉実践の過去・現在・未来」とのテーマでそれぞれの現場から提言を行った。

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