「十四万四千人」の解釈と、あるカルト教団の話【聖書からよもやま話6】

今日も日刊キリスト新聞クリスチャンプレスをご覧いただきありがとうございます。

毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章から、皆様の役に立つこととか立たないこととかを話してみようという【聖書からよもやま話】、
今日、選ばれたのは新約聖書、黙示録14章です。この企画が始まってからずっと旧約聖書が続いていましたが、今日は記念すべき初の新約聖書です。しかしいきなり黙示録・・・テーマが重たいです、神様。でもがんばります。よろしくどうぞ。

◆黙示録14章1節

また私は見た。すると見よ、子羊がシオンの山の上に立っていた。また、子羊とともに十四万四千人の人たちがいて、その額には子羊の名と、子羊の父の名が記されていた。

黙示録というのはいわゆる「この世の終わり」について書いてある書で、有名な「ハルマゲドン」なんてのも、ここから出てきています。聖書って基本的には過去のことが書いてあることが多いのですが、この書に限っては未来のことが書いてあります。さらに表現も比喩が非常に多いので聖書の中でも一二を争うほど解釈が難しい書です。この書を勝手解釈して「私こそ救世主だ!」とか言ってカルト教団を創立してしまう人も少なくありません。

そんなカルト教団の中にはこの「十四万四千人」という数字を文字通りの数字として解釈して「144000人しか救われないのだ!」と主張する人たちもいます。伏せる意味もないので具体名を出してしまいますが「ものみの塔」というカルトです。一般的には「エホバの証人」と呼ばれています。

この数字は正当なキリスト教会では「イスラエル12部族 × 12000人」と、「すごくたくさんの人」についての象徴的表現であると解釈します(細かい解釈の違いは色々ありますが)。聖書では「12」とか「7」を重要な数字として扱っていて、「大きな数」を表現する時に、これらの数を掛け合わせて表現したりするんです。

しかしエホバの証人は、この数字を文字通りの数字であると主張し、「144000人しか救いに選ばれないのだから、君たち頑張って努力して教団のために身を粉にして働かなければいけないよ」と教えました。しかしやがて信者の数が144000人を超えてしまって整合性がとれなくなると、「144000人が、天国で指導者階級になる数だ」と教義を変えました。

え・・・天国にもそんな階級制度が人間同士であるんですか。天国にも上級国民がいるんですか。ってことは、天国にも貧富の差とかあって、格差社会が問題になったりするんですか。

・・・と個人的にはツッコみたくなるのですが、それは僕の性格が悪いからかもしれません。これを純粋に信じている人たちを否定する気もありません。

ただ、言いたいのは天国に定員はないということです。それに救いというのは「頑張ったら救ってあげる」とか「上位144000人だけ救ってあげる」とか、そんな競争原理によってなされるものではないということです。救いには「頑張ったら」とか「結果を出したら」とかそんな条件はないんです。イエス・キリストを救い主として告白するなら、その人は神様からの一方的な恵みによって条件なしに救われるんです。

キリスト教に興味はあるけどまだ信じていないという方には、「どの教会に言ったらいいのだろう?」というのが大きなハードルになることが多いですが、もし「十四万四千」をやたら強調する人たちがいたら、その人たちのところは避けたほうが無難です。「どの聖書を読んだらいいのだろう?」というのも一つのハードルですが「新世界訳聖書」というのはエホバの証人さんたちが、自分たちの教義に都合よく改変してしまった聖書ですから避けたほうがよろしいかと思います。聖書を購入するなら「聖書協会共同訳」か「新改訳」が無難です。他にも「口語訳」とか「文語訳」とか、良い訳は色々ありますけれど。ちなみに僕がこの連載で使っているのは「新改訳」です。

ちょっと今日は重めの話になってしまいました。だって黙示録なんですもの。

それではまた。
主にありて。MAROでした。

 






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