東京バプテスト神学校(東京都文京区)は5日、教室を借用している日本バブテスト連盟・茗荷谷(みょうがだに)キリスト教会の礼拝堂で入学礼拝を執り行った。入学生は神学専攻科3人、神学本科5人、聴講者6人の計14人。所属教会の関係者や同校理事、教職員ら約50人も列席した。
「自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です。あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい」(ローマ12:1~2)から、校長の坂元幸子(さかもと・さちこ)さん(同・藤沢バプテスト教会牧師)がメッセージを語った。
「神様は一人ひとりに計画を持っています。自分の思いではなく、神様の建設計画に沿って私たちが変えられ、形作られていくのです。
『神学校というのは、答えを得る場所ではない。問いを見いだす場所だ』とある人は言いました。神学校の中でさまざまな出会いや体験を通して、これまで自分で当たり前と思っていたことを問い直してみてください。
何が神の望まれる喜びであり、完成なのかをわきまえ知り、礼拝者として整えられ、奉仕者としてその高みに行くため、絶えず心新たにチャレンジし続けていきましょう」
礼拝後、バプテスト連盟北関東連合会長の天野英二(あまの・えいじ)さんがまず祝辞を述べた。
「安藤仲市(あんどう・なかいち)先生が、『何か難しいこと、迷うことがあった場合、いつも難しいことを選ぶ』と語られました。何か権威を持っていると、むしろ安易な道を選びやすい。しかしそうではなく、自分の腑(ふ)にストンと落ちるまで答えを探し求めてください。コツコツと学んで積み重ねた結果が、皆さんの大きな力となり、現場に出た時の大きな支えになると私は信じています」
続いて、日本バプテスト連盟常務理事の中田義直(なかた・よしなお)さんが次の聖句を引用して語った。「いつも、塩で味付けされた快い言葉で語りなさい。そうすれば、一人一人にどう答えるべきかが分かるでしょう」(コロサイ4:6)
「この神学校での働きを通して、互いに平行線でしかない神学論争ではなく、塩で味つけられた言葉を手に入れていただきたい。信徒であれ、牧師であれ、相手の立場に立って、想像力と共感力を持った言葉で語るキリスト者として歩んでいただきたい。この神学校には、そのような使命に立つための祈りが注がれています」
最後に同校理事長の奥田稔(おくだ・みのる)さんがあいさつに立った。「聖書の言葉が自分に語られていることを理解し、御言葉がしっかり根づいていくような神学を身につけていただきたい」とエールを送った。
新入生のうち二人は北海道と京都に住んでおり、ライブ授業での学びとなる。神学本科に入学した三浦皇主朗(みうら・こうしゅろう)さんは次のように抱負を語った。
「これから札幌に戻り、ライブ授業で学んでいきます。地元で飲食業をしており、幼い4歳の娘もいるので、ライブ授業は助かります。また、一方的な通信講座でなく、顔と顔を合わせてリアルタイムで授業を受けられるので、質疑応答もできます。コミュニケーションもとれるので、遠く離れていても学生同士の横のつながりがとれます」
同校は、日本バプテスト連盟の信徒伝道者養成のための「東京バプテスト福音宣教学院」として1962年に発足した。現在、本科(神学・教会音楽、各3年)、専攻科(神学・教会教育・教会音楽、各2年)、養成コース(信徒リーダー・教会音楽奉仕者、各2年)が設置されている。2009年、授業の録画とインターネットでの放映を開始。翌年から双方向インターネット通信によるライブ授業を行っている。