【YMCA】 ポジティブネットYMCA国際協力募金 ミャンマー緊急支援報告

公益財団法人 日本YMCA同盟


three beacons of resilience, service, and hope
いまこそYMCAのレジリエンスを ~希望への道しるべ~

2021年2月のクーデターから7カ月が過ぎました。9月20日までに1,114人の市民が死亡、8,289人が逮捕、そして依然として6,637人が拘留されています(Assistance Association for Political Prisoner情報)。この事態に対して全国に呼びかけた支援募金に717,052円が寄せられました。皆様のご協力に感謝申し上げます。お寄せいただいた募金は国際協力資金と合わせ1万ドルを、支援団体「ビルマ・プラットフォーム」に送金しました。ビルマ・プラットフォームは、今回の事態を受けて韓国の教会や、日本YMCA同盟が加盟する日本キリスト教協議会など、キリスト教関係の団体によって組織されました。農業支援、職業訓練、子どもの教育など、テーマごとに第一線の専門家の協力を得て、現地プロジェクトを支援しています。

ミャンマーYMCAの働き
~決してあきらめない~

ミャンマーYMCA同盟総主事のマンマンウィン氏は、YMCAが提供するプログラムを市民がこれまで以上に必要としているとして、困難な状況にありながら人々に寄り添い、さまざま活動を続けています。
ミャンマーのYMCAは旧ビルマ時代の1897年から活動がはじまり、現在は全国に31のローカルYMCAがあります。ユースエンパワーメント、高齢者や困難な状況にいる子どもたちのケア、PC・ヘルスケア・建設・料理などの様々な就業トレーニング、マイクロファイナンス、地域の持続可能な生活とエンパワーメントなどに取り組み、毎年12万人が参加しています。コロナの感染拡大が始まった当時、オフィスの閉鎖を余儀なくされましたが、貯水タンクなどの建設プロジェクトは携わる人々の生計に影響が出るため、できる限り中断をせず、各種トレーニングプログラムもオンラインに移行し、活動を再開しました。

また、コロナが重なり制約がある中でも、ユースエンパワーメントに力を注いでいます。ユースの成長と将来の雇用の機会を支援するため、全国21のオフィスにユース事業部によって、ユース主導のプロジェクトが実現するように自由と支援の場を提供しています。また海外のYMCAやその他の団体とのパートナーシップを通しての活動もユースエンパワーメントによい影響をもたらしています。デンマークYMCAとは6年間パートナーシップを継続しています。ミャンマーYMCAではボランティアがプロジェクトグループを結成して、地域社会に貢献するプログラムを行っています。 優れた働きをしたボランティアはデンマークに派遣され、他のユースボランティアやリーダーと経験を共にし、学び合う機会が与えられます。

これから紹介するユースのストーリーは、ミャンマーYMCAに関わる多くのユースのストーリーを反映しています。

ミャンマーYMCAユースのチャレンジ
~コミュニティーに前向きな変化をもたらす~

MINDYさん 25歳
ヤンゴン出身のMINDYさんは環境コンサルタントを目指しています。2017年にユースプロジェクトのボランティアとしてYMCAに初めて関わりました。YMCAで気候変動に関するトレーニングを受け、現在は地元のプロジェクトでボランティア活動を行っており、修士号を取得するため励んでいます。YMCAでの経験が今後に向けての歩みを後押ししています。
彼女が企画したユース主導の気候変動対策プロジェクトの提案は、世界YMCA同盟のYouth-Led Solutions Initiativeに採用され、現在ミャンマー全土のYMCAのユースにオンライントレーニングを実施しています。彼女は「YMCAはトレーニングを通して私たちの能力を高め、助けるための資源を提供してくれます。」また「いつも友達やボランティア仲間にYMCAに参加することを勧めています。 私はYMCAにいられることがとてもうれしいです。 今は困難な時ですが、YMCAは私たちにその先の道を示してくれます。」と語ります。

MOONさん 29歳 
ミッチーナー出身のMOONさんは社会問題をテーマにしたドラマを作り、幼児教育、ジェンダー平等、麻薬問題などの地域課題を伝える活動をしています。YMCAでは9年にわたって経験を積んでいます。時間と機会があれば、川沿いに捨てられたゴミやプラスチックを拾う環境プログラムなどにも参加し、将来は水質汚染を減らし、ごみ処理システムを導入したいと考えています。

彼女は2020年アジア・太平洋YMCA同盟のインターンとして採用されましたが、コロナの影響で現地に行くことができず断念しました。インターンの経験が出来なかったことは残念ですが、今まで以上に地域での環境保護活動やユースのオンライン英会話クラブの調整ボランティアなど、さまざまな活動に参加しています。またミャンマーYMCAの薬物リハビリプログラムにも取り組んでいます。

KAUNG KHANTさん 25歳
マンダレー出身のKAUNG KHANTさんは、10歳の時からYMCAに関わっています。英語クラスや環境に関する活動など多くの青少年活動に参加し、地元のYMCAではインターンシップも経験しています。
社会に貢献したいと考え、ソーシャルワークに積極的に関わり支援活動をしています。コロナの影響でYMCAが行う多くのトレーニングやプロジェクトがオンラインに移行した時にも尽力しました。彼がサポートしているマンダレーYMCAの平和な社会を創るためのオンライントレーニングでは、ヘイトスピーチやソーシャルメディアによるフェイクニュースに惑わされない社会を創ることを目指しています。彼は「この活動を通して多くの人とコミュニケーションをとることや多様な社会で認め合いながら生活していくことの大切さを学びました。ミャンマー社会には様々な民族や宗教があるので、この学びは自分にとって意義のあるものだ」と語ります。

世界YMCA同盟のホームページから直接ご寄附いただけます。

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