皆様いかがお過ごしでしょうか。今日も日刊キリスト新聞クリスチャンプレスをご覧いただきありがとうございます。
毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章から心に浮かんだ事柄を、皆様の役に立つ立たないは気にせずに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は旧約聖書、詩篇第47篇です。昨日今日と連続して詩篇ですが、本気でランダムにやっているのでそういうことも起こります。それではよろしくどうぞ。
◆詩篇 47篇5節
主は上られる。喜びの叫びの中を。
主は行かれる。角笛の音の中を。
この詩は「神様を褒め称えよ!大声で喜べ!歌え!」という内容のものですが、ここを読んだら「角笛って、そういえば一度も生で聴いたことがないな。そもそもどんな楽器だ?」と思ったので調べてみました。「角笛」って言葉は聖書に69回も出てくるのに、何も知らないんじゃよろしくないですからね。
角笛はその名の通り、動物の角、特に円錐状になっている牛などの角をそのまま用いた笛です。最初はもちろんちゃんと動物の角で作られていましたが、やがて青銅や鉄などの金属でも作られるようになりました。旧約聖書の時代は青銅器時代にあたりますから、聖書に登場する角笛は青銅で作られたものかもしれません。ちなみに現代に残っている最古の角笛も青銅器製なんだそうです。リアルな角で作ったものは朽ち果ててしまったのだとか。
現代のホルンやコルネットが、角笛を原型として発展した楽器です。ホルンも角も英語で書けば「Horn」ですからね。これらはもちろん様々な音階を出すことができますが、もともとの角笛は音階を変える構造がなく、一つの音しか出すことができませんでした。そんなわけで音楽の演奏には向かず、大人数への合図として用いられることが多かったようです。今で言うなら体育の時間に使うホイッスルみたいなものでしょうか。もっとも、時には複数の角笛を同時に鳴らして和音を出したりもしたそうですが。リアルな角では無理ですが、金属を使えば狙った音程を出すことはある程度は可能だったはずです。
日本ではホラ貝が似たような用途で用いられ、角笛が作られることはほとんどありませんでした。音を出す仕組みも非常に似ていて、楽器の分類で言えばどちらも金管楽器になります。息を吹き込むことで音を出す楽器は金属でできていても木管楽器ですし、唇の振動で音を出す楽器は金属製ではなくても金管楽器に分類されるんです。ですから見た目が金ピカでもサックスは木管楽器ですし、竹でできていてもディジュリドゥは金管楽器です。
はい。今日はおそらく皆さんにあんまり役に立たないお話でした。一見役に立たないことが本当に役に立たないなんて、一体誰が言い切れますか!!
・・・と、開き直ったところで。
それではまた。
主にありて。MAROでした。