教皇フランシスコは6月1日、使徒憲章「パシテ・グレジェム・デイ」をもって、カトリック教会における刑罰制度を改定したことを発表した。改正法は12月8日に施行される。バチカンニュースが報じた。
改定されたのは、カトリック教会固有の規則を定めた「教会法典」の「第6集」。これは、1983年1月25日に聖ヨハネ・パウロ2世が公布したもので、今回改定された「第6集」は刑罰法規にあたる。これにより、新しい形の犯罪が処罰されることになり、近年問題視される聖職者による未成年者への性的虐待の処罰も、強化の対象となる。
教皇フランシスコは、改正法の公布にあたり、世の中において教会が必要とするものにふさわしく応えるために、刑罰法規を見直す必要があったと述べている。また、重大な悪を防ぎ、人間の弱さによって引き起こされた傷を和らげるように取り組むため、改定版はいっそう有効な道具になると話す。
さらに、愛といつくしみは、しばしば曲がってしまったものを、父がまっすぐ正すことを要求すると強調。刑罰制度に訴えない司牧者の怠慢は、この司牧者がまっすぐ誠実に自身の任務を果たしていないということを表していると明言する。
改定版には次のような内容が記載されている。
▷現行法にさまざまな変更を導入し、いくつかの新しい形の犯罪を制裁する。
▷弁護人依頼権、公訴時効、刑罰のより正確な定義など、特に刑法の基本に関わる専門的観点からも改良する。
▷具体的なケースにおいて、適用すべき最もふさわしい刑罰の見極めの客観的基準を提供する。
▷より大きい被害とつまづきをもたらす犯罪については、刑罰の適用において、当局の自由裁量性を減少させ、教会的一致を重視する。