聖書印刷を使命とし、アジアをはじめ聖書の言葉を広める活動を続けるニューライフ・ミニストリーズ新生宣教団(埼玉県比企郡)は8月1日(英語版は7日)から、「ザ・メサイア チャレンジ—歩こうイエス様の道を」を開始した。新型コロナウイルスの影響で、大きな打撃を受けている子どもたちに向けての新たなプロジェクト。対象は小学生から中学生で、インターネット環境さえあれば、誰でも無料でチャレンジできる。
チャレンジ方法はいたって簡単。まず、同宣教団のウエブサイトから無料の『ザ・メサイア』を読み、ワークブックをダウンロードしてテキストをクリアする。ワークブックはプリントアウトして記入するものと、デバイス上で入力できるPDFの2種類があり、どちらか好きな方を選ぶことができる。ワークブックを完了し、ウエブでコンプリートシートを送ると、完全版『マンガ メサイア』を自分用に1冊、そして友人にあげるために1冊、合計2冊を受け取ることができる。
テキストとなる『ザ・メサイア』は、聖書の福音書に記述されているイエス・キリストの公生涯が描かれたフルカラーのマンガ小冊子。同宣教団が2006年に完成させた288ページにもおよぶフルカラーのマンガ聖書『マンガ メサイア』を、64ページにダイジェスト化したものだ。通常は無料で公開していないが、新型コロナウイルス感染拡大による非常事態で家にいなければならない子どもたちのために、4月ごろから特別に期間限定で無料ウエブ公開している。
一方ワークブックは、カナダのミッションパートナーBible League Canada(バイブル・リーグ・カナダ)と協力して、イエス・キリストの物語をさらに深く学べるテキストとして開発したものを、このプロジェクトのために再編した。レッスン1からレッスン6まであるワークブックは、かなりボリューミーだが、『ザ・メサイア』を読みながら一つ一つのワークをクリアすると、イエス様が来られたという事実や、どんなお弟子さんがいたか、どうして十字架にかかったかなど福音の理解を得ることができるカリキュラムとなっている。
「ザ・メサイア チャレンジ」は、コロナ禍で子どもたちが家で過ごす時間が増える中、十分な心のケアがなされていないことを危惧し、聖書の話に触れることで、少しでもストレスの軽減につながればという思いで始まったプロジェクトだが、そのアイデアは、一人の女の子の体験から生まれた。アソシエイト・ディレクターを務めるウィルフレッド・タトロンハリ・ジュニアさんの9歳の娘が、自粛期間中何もすることがなく、英語版のワークブックにチャレンジしたところ、「これはとてもいいね、友だちにもシェアしたかった」という言葉からインスピレーションを受けて、このようなキャンペーンを思いついたのだという。
今回のキャンペーンに、同宣教団は次のような期待を込める。
「聖書の学びを通して『神がいて、すべてのことは神の御心のままに計画されている』という希望と安心感を得て、今の辛さを受けとめる力を受けることができます。今回のキャンペーンをとおして、すてきなプレゼントを送り合うことによって喜びを分かち合い、自分たちは一人ではないと子どもたちに実感して欲しい」
これまでも同宣教団では、福音書部分にあたる「メサイア」を刊行して以降、使徒たちを描いた「メタモルフォシス」、創世記から出エジプト記の「ミューティニー」、出エジプトからダビデ・ソロモンの頃までを描いた「メレック」、預言者たちの言行をまとめた「メッセンジャーズ」と、聖書のほぼすべてのストーリーをフルカラー全5巻のマンガにまとめ、マンガを用いた宣教を進めてきた。今回もマンガを用いてのキャンペーンとなるが、その強みについて聞いた。
「マンガは魅力的なメディアだと思います。興味がなくてもつい読んでしまいます。特に子どもにとっては、キリスト教に興味がなくてもマンガというだけで読んでくれるのではないでしょうか。クリスチャンでない子も、クリスチャンであればなおのことです。日曜学校が思うように開けず、夏のキャンプも中止が相次ぐ中、このキャンペーンは有効に使ってもらえると思います」
マンガは8月から12月までの期間(もしくは在庫終了まで)の配布を予定し、5000人の子どもたちに、合計1万冊の『マンガ メサイア』を送り届けることを目標としている。