「キリスト教書店大賞2022」(主催:キリスト教出版販売協会)が発表され、『ユダよ、帰れ コロナの時代に聖書を読む』(奥田知志/新教出版社)が選ばれた。
同賞は、キリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教専門書店が、過去1年間に刊行された本から「売りたい・お勧めの本」を投票形式で選ぶ賞で、2011年から始まった。今回は、2021年1月〜12月に出版されたキリスト教書から5月にノミネート作品が選ばれ、二次選考を経て大賞が決定した。
見事大賞に選ばれた『ユダよ、帰れ コロナの時代に聖書を読む』は、著者・奥田知志氏(日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師)の初の説教集。2020年のイースター礼拝から連続15回の説教を収めたもので、各説教はYouTubeで配信され、たちまち全国から圧倒的な反響を呼んだ。大賞受賞にあたり、奥田氏は次のようなメッセージを寄せている。
恐縮です。初めての説教集でした。でも、説教とは何かわ からないままです。社会や人の現実に向き合う中で、ただ ただ聖書のことばにしがみついてきました。聖書は面白い。 すべての人に感謝。すべての人に平和を
また、横浜キリスト教書店の高橋友彦さんは、同書への熱い思いをこう語る。
著者の奥田牧師が、長年にわたるホームレス支 援など福祉の場において 、昨今のコロナ禍によ る 、特に弱者の抱える難儀を通して得られた種々の体 験を聖書の言葉と対置させている。福音を 伝えるべく説教という場を、まるで格闘のように語るメッセージ集 。ぜひ御一読を
大賞以下の順位は以下のとおり。(著者の敬称略)
【2位】三浦綾子が紡ぐ「祈りのことば」をおちあいまちこの写真が新たに彩る『祈りの言葉』(おちあいまちこ:写真 林あまり:解説/日本キリスト教団出版局)。
【3位】喜寿目前にキリスト教幼稚園の園長になった著者による初のエッセイ集『子ども、本、祈り』(斎藤惇夫/教文館)。
【4位】ミネアポリスのコロナ病棟で患者の最期を看取り、その家族に寄り添う日々の奮戦記『ひとりで死なせはしない 日本人牧師、アメリカでコロナ患者を看取る』(関野和寛/日本キリスト教団出版局)。
【5位】93歳になる著者の48編の講演・論考・説教を収録した『目はかすまず気力は失せず 講演・論考・説教』(関田寛雄/新教出版社)。
【6位】300問以上のクイズで新約聖書に親しめる『新約聖書おもしろクイズドリル』(辻学:監修/日本キリスト教団出版局)。
【7位】「聖書協会共同訳」と「新共同訳」の違いを、新約学界を牽引する執筆陣が解説する『ここが変わった!「聖書協会共同訳」新約編』(浅野淳博・伊藤寿泰・須藤伊知郎・辻学・中野実・廣石望:著/日本キリスト教団出版局)。
【8位】1日、1ページ、24のテーマに沿った聖句と祈りが短い文章になっている、『ひと時の黙想 全き心を求めて』(ストーミー・オマーティアン:著 日本聖書協会:訳/日本聖書協会)。
【9位】300問以上のクイズで旧約聖書を楽しく学べる『旧約聖書おもしろクイズドリル』(大島力:監修/日本キリスト教団出版局)。
【10位】キリスト教放送局日本FEBCの番組「もっとイエスにぶつかる」シリーズに、書下ろしを加えて贈る初の説教集『天国なんてどこにもないよ それでもキリストと生きる』(関野和寛/教文館)。