12月29日「天と地」

  「天と地」という言葉で、端的に「全て」を意味する。「天」とは文字通り「大空」を意味する。それは大いなる輝くドームであり、わたしたちの上にあり、わたしたちを超えるものである。それは、まばゆいばかりの劇場である。そこで、わたしたちは見事に舞い踊る星座を見、吠え猛(たけ)る野性の美を示す嵐を見る。わたしたちは天を自分の感覚を通して知っている ―― たとえば目で星々を見て、耳で嵐を聞く、といった具合に ―― しかし、わたしたちはそれらを操作することも、形を整えることも、支配することも出来ない。

 「地」とは文字通りには「わたしたちの下にあり、わたしたちの周りにあるもの」を意味する。それはわたしたちの手で触れることができるもので、操作することができ、形を整えることができ、ある程度までは支配できる。わたしたちは「地」に足をつけて立つことが出来る。そこに黄色いスイセンが咲けば、わたしたちはそれを摘み取ることが出来る。わたしたちは「地」を耕し、そこに作物を植え、そして収穫することが出来る。「地」は「天」と違い、五感で補足して行くべきものというよりは、むしろ肉体の延長のようにしてそこにあるものである。

 わたしたちの知覚を広げてくれる装置は、わたしたちを助けてくれる。望遠鏡、顕微鏡、レーダー、音波探知機、ラジオ、テレビや様々な器具を積み込んだ人工衛星の力は大きい。それでもなお、わたしたちは依然として、電子やプロトンといったもののほとんど無限につながり合っている様子を完全に数え上げ記録するまでにはなおほど遠い状態である。その広がりは広大なものであり、たとえば「オリオン座にある恒星ベテルギウス」から「アラバマ州バーミングハム市の牢獄」【キング牧師が収監されたことで有名な牢獄】にまで及んでいる。「天と地」という二つの言葉によって、物質によって構成される被造物に結び付けられている。わたしたちの感覚はどこまでもわたしたちをこの世界と結び付ける。それは無限大の広がりを持つのである。わたしたちの感覚が示す限り、決して終わることがない物質的な創造物と結び付いている。
 

シオンの神が
あなたを祝福してくださるように
天と地を造られた神が
あなたを祝福してくださるように
―― 詩編134編3節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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