9月28日「『死んだクリスチャン』によって書かれた本」

 一人のわたしの友人のことを話したい。彼は10代後半の若いころにクリスチャンになったが、利己的で破廉恥(はれんち)な宗教指導者たちに、搾取(さくしゅ)し騙(だま)されたのである。彼は幻滅しながらアルコールや麻薬の世界に逸脱(いつだつ)してしまった。彼は薬物から自分のスピリチュアリティーを得るため20年間も費やした。

 彼は麻薬を手に入れようとメキシコの山にいたある日、クリスチャンになり立ての麻薬売買人に出会った。その麻薬売買人はイエスについて話し、彼のために祈ってくれた。そうして彼は再びクリスチャンの道に戻ってくることができた。

 彼はカナダの家に戻ったが、新しい生活には助けが必要なことが分かっていた。しかし彼は、以前の宗教指導者たちから受けたひどい経験があったので慎重に対応した。ある日、彼は本屋に行き店員にこう尋ねたのである。「生命のないクリスチャンが書いた本がありますか? わたしは生きている人間の誰一人も信じることができないものですから。」彼はA・W・トーザーが書いた本を勧められ、一年の間、トーザー、つまり「死んだクリスチャン」の書いた本だけを読んで過ごしていた。彼はそこから、自分自身で、生けるクリスチャンの群れに戻るよう慎重に努力を続けたのである。そして今、彼は最も活気に溢れるクリスチャンのひとりとなった。
 

イエスは巻物(イザヤ書)を巻き、助手に手渡し座った。そこにいた全ての目が彼に注がれた、注意深く見守るその中で、イエスはこう言った。「聖書が歴史を作りだす時に鳴る一つの音がある。まさに今、あなたがたは聞きました。今まさに、ここで、聖書が歴史を作ったのだ。」
 ―― ルカによる福音書4章20~21節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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